特別展「人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界-」

カタール王族のコレクション

カタールの王族が収集した「ザ・アール・サーニ・コレクション」から、世界各地の古代文化が生み出した工芸品117件が来日。「人」「神」「自然」のテーマで古代の人々の意識や世界観を紐解く展覧会が、東京国立博物館 東洋館で開催中です。

  • 第1章「人」
  • 第1章「人」
  • 第1章「人」
  • 第2章「神」
  • 第2章「神」
  • 第2章「神」
  • 第3章「自然」
  • 第3章「自然」
  • 第3章「自然」

古代から近現代まで数々の美術品が含まれる、ザ・アール・サーニ・コレクション。豪華さと多様な地理的・文化的背景が特徴で、2020年にはパリの特設ミュージアムでの公開も予定されています。

3つのテーマで構成された本展。ひとつずつご紹介しましょう。

第1章は「人」。古代社会を統治していた王や有力者にまつわる工芸品などです。

古代エジプトでは巨大な石造で王の権力を誇示。マヤ文明の石棺からは、ユニークな葬送用仮面が見つかりました。

地域によって嗜好やデザインこそ異なりますが、支配者が権威を示す事と、死者や来世との繋がりを意識していたのは、各地で共通しています。

第2章は「神」。古代文化が生み出した神像や精霊像、儀式に関連する作品です。

飢饉や疫病、戦争などが多発し、現在よりもずっと厳しかった古代社会。神々の恩寵を得ることは、重要な意味を持っていました。

ギリシアやローマの神話、エジプトの神々、そして釈迦やキリストなどの実在した人物も含めて、地域ごとに多様な宗教と信仰が存在しました。紹介されている工芸品には、安寧への祈りが込められています。



第3章は「自然」。主に動物の形を模した工芸品が展示されています。

古代の工芸品にも写実的な動物表現が見られる事から、人々は昔から動物を熱心に観察していたことが分かります。

最強の野生動物であるライオンは、しばしば王家の象徴になりました。王の権威を示すと同時に、宝飾品に用いられる場合は、着用者に特別な力が与えられるとみなされたのです。

一方、家畜を象った工芸品も。大型のウシは宗教儀礼で屠殺されたため、犠牲獣として捧げられた事を示す装飾もつけられています。

会場は東洋館の第3室。実は、同じ場所で展示されているミイラと石像は東京国立博物館の所蔵なので、今回の特別展とは無関係なのですが、テーマにも合致しているため、あえてそのまま展示している、との事でした。

総合文化展(常設展)の入館料で観覧できる、嬉しい展覧会です。王族のコレクションを、庶民的な価格でお楽しみください。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年11月5日 ]

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新潮社 (編集)、東京国立博物館 (編集)

新潮社
¥ 1,650

 

ミュージアムの詳細

展覧会の詳細

会期

2019年11月6日(水)~2020年2月9日(日)