MONでは、デザイナー・グラフィックリサーチャーの深地宏昌による個展「10 Years of Plotter Drawing」を開催いたします。本展は、プロッターを用いてデジタルとリアルの間に生まれる偶発的表現をつくり出す手法「Plotter Drawing(プロッタードローイング)」を、10年間にわたり探求してきた深地の節目の展示です。新作と旧作を織り交ぜ、これまでの軌跡を辿る構成となっています。
新作の「OnWood」シリーズは、グラデーション染めを施したヒノキの板に、プログラミングを用いた木目のグラフィックを描いた作品。自然が生み出した木目と、人の手によって作られた木目の重なりは、デジタルとリアルの境界を曖昧にし、有機と人工が共鳴する風景を生み出します。さらに、本展では「SPUR」シリーズや「Poly & Arc」シリーズなど、絵筆や鉛筆、ボールペンなどの様々な筆材で描かれた作品も一堂に会し、プロッタードローイングの広がりと奥深さをご覧いただけます。
深地宏昌(ふかじ ひろまさ)
デザイナー/グラフィック・リサーチャー(視覚表現研究者)
DIGRAPH主宰
1990年大阪府生まれ。プロッター(ベクターデータを変換・出力する機器)を用いてデジタルとリアルの境界に生じる偶発的表現をつくり出す手法「Plotter Drawing(プロッター・ドローイング)」を軸に、新しいグラフィック表現の研究を行う。2023年より堀川淳一郎と共にクリエイティブスタジオ「DIGRAPH」を発足。カンヌライオンズ、ザ・ワン・ショー、ニューヨークTDC賞、D&ADアワードなど多数受賞。