~近江商人が美術史に果たしたある役割~

    高田敬輔と小泉斐

    滋賀県立美術館 | 滋賀県

     高田敬輔については、名古屋の文人画家・中林竹洞(ちくとう)の著書『竹洞画譜』において「蕭伯(白)・敬甫(輔)は画体いやし」と記されているとおり、奇想の画人・曽我蕭白(そが・しょうはく)と並び称される存在であり、時には蕭白の師とも言われてきました。過去の展覧会においても、こうした認識のもとに高田敬輔は紹介されてきました。  敬輔は、狩野山楽(かのう・さんらく)・狩野山雪(さんせつ)・狩野永納(えいのう)に継ぐ、京狩野(きょうがのう)の画家、狩野永敬(えいきょう)のもとで絵を学びました。師の没後は、京都の名刹・仁和寺(にんなじ)門跡に重用され、幕府のある江戸への進出もはかって中央絵師として名をあげる一方で、故郷に戻って弟子を育成しました。弟子たちの中には関東に店を持つ日野商人も含まれ、彼らがまたそれぞれの地で敬輔の画風を伝えました。下野国(現在の栃木県)の茂木(もてぎ)に店を持つ醸造業の島崎雲圃(うんぽ)、その弟子で黒羽(くろばね)藩の御用絵師となった小泉斐(こいずみ・あやる)は、その代表格と言えましょう。  本展覧会では、山雪・永敬ら京狩野の画人たちから敬輔へ、また敬輔から雲圃、斐へと続く流れを、敬輔との関連で注目される画僧・古■(こかん・■は石へんに間)や、門下の月岡雪鼎(せってい)や、曾我蕭白らの作品も交えながらたどります。近江出身の一絵師が中央で活躍し、再び地方に回帰してゆく姿を浮かび上がらせると同時に、関東とネットワークをもつ近江商人が、小泉斐や江戸文人サークルの育成に果たした役割をも明らかにしたいと思います。
    会期
    2005年4月23日(土)〜5月29日(日)
    会期終了
    開館時間
    9:30~17:00(入館16:30まで)
    料金
    一般900円(700円)、高大生650円(500円)、小中生450円(350円) ※( )内は前売り及び20名以上の団体料金
    会場
    滋賀県立美術館
    住所
    〒520-2122 滋賀県大津市瀬田南大萱町1740-1(文化ゾーン内)
    077-543-2111
    おすすめレポート
    学芸員募集
    新居浜市美術館 学芸員募集中 [あかがねミュージアム(新居浜市美術館および新居浜市総合文化施設)]
    愛媛県
    東山旧岸邸 正社員・契約社員 募集! [東山旧岸邸]
    静岡県
    鎌倉 報国寺 学芸員募集(正職員) [報国寺]
    神奈川県
    【新卒/経験者OK】都内環境啓発施設、常勤スタッフ(コーディネーター)募集中! [武蔵野市環境啓発施設「むさしのエコreゾート」、エコギャラリー新宿(新宿区立環境学習情報センター・区民ギャラリー) など]
    東京都
    京都精華大学ギャラリーTerra-S アシスタント募集 [京都精華大学ギャラリーTerra-S]
    京都府
    展覧会ランキング
    1
    国立西洋美術館 | 東京都
    西洋絵画、どこから見るか?―ルネサンスから印象派まで
    開催中[あと44日]
    2025年3月11日(火)〜6月8日(日)
    2
    ラムセス・ミュージアム at CREVIA BASE Tokyo(豊洲) | 東京都
    ACN ラムセス大王展 ファラオたちの黄金
    開催中[あと135日]
    2025年3月8日(土)〜9月7日(日)
    3
    東京国立博物館 | 東京都
    イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~
    開催中[あと100日]
    2025年3月25日(火)〜8月3日(日)
    4
    東京都美術館 | 東京都
    ミロ展
    開催中[あと72日]
    2025年3月1日(土)〜7月6日(日)
    5
    国立科学博物館 | 東京都
    特別展「古代DNA ―日本人のきた道―」
    開催中[あと51日]
    2025年3月15日(土)〜6月15日(日)