乾山の芸術と光琳

    出光美術館 | 東京都

     尾形乾山が京都の右京、仁和寺の奥に位置する鳴滝に窯を築いたのは、元禄12年(1699)でした。この鳴滝窯は、昭和初期に発見されて以来、じつは正式な発掘調査がなされることがなく、謎のままでした。  そこで、平成12年(2000)に「法蔵寺鳴滝乾山窯址発掘調査団」(出光美術館も参加)が結成され、初めて科学的な研究のメスが入れられました。5年間に及んだ発掘調査により、予想を超える種類の陶片が採取され、本展は、その成果を踏まえて浮かび上がってきた乾山焼の姿を、新たに提示することを目的にしています。  この度の調査の結果、乾山はそれまでになかった芸術性の高いやきものを創出し、京焼の世界に新しい地平を切り開いたことが明らかになりました。乾山は当時、長崎を通じて中国の最先端の文化が流入していた黄檗宗の嵯峨野・直指庵に参禅し、霊海の号を得ていました。この国際色豊かな教養やファッション性をもっていた黄檗宗のネットワークのなかで、乾山は和漢の国際的な文化を背景とした、懐石のうつわなどへ積極的に取り組んでいたのです。  乾山焼の真の姿、そしてその造形の魅力とは、いったい何だったのでしょうか。今回はその点を追及していきます。本展では、重要文化財11件をはじめとする、館外の秀逸な名作を出品し、現在実現できうる最高の「乾山焼」の展覧会を目指します。陶芸ファンばかりでなく、広く日本の古美術愛好家の方々には見逃すことのできない盛りだくさんな内容です。  うつわに描かれた美の世界の醍醐味を、存分に堪能していただけると幸いです。
    会期
    2007年11月03日(土・祝)~2007年12月16日(日)
    会期終了
    開館時間
    午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
    料金
    一般1000円、高大生700円(団体20名以上各200円引) 中学生以下無料(ただし保護者の同伴が必要です)
    休館日 毎週月曜休館
    会場
    出光美術館
    住所
    〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9F
    050-5541-8600(ハローダイヤル)
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