国立新美術館で展覧会「ここから4―障害・表現・共生を考える5日間」が開催される。
障害がある人たちが制作した「表現の持つ根源的なよろこび」が感じられる作品に加え、障害・障壁への気づきをうながすマンガ・アニメーションや、身体感覚を際立たせる映像・メディアアートなどを紹介する展覧会。主催は文化庁。
「いきる-共に」「ふれる-世界と」「つながる-記憶と」「あつまる-みんなが」「ひろげる-可能性を」という5つのキーワードを通じて、アート、デザイン、マンガ、アニメーションといった多様な分野にわたる作品を展示する。
作家は障害の有無にかかわらず選ばれた約20組。作者を紹介するキャプションに「所属」として施設名が記されている作品が、いわゆる障害者アートだが、一見では分からないものも多い。
群集を描く作品を得意とし、障害者アーティストとして注目を集めている鵜飼結一朗(やまなみ工房所属)は、絵巻のような大作《妖怪》を出展。作品は本展の後、ニューヨークでも展示される。
覆面レスラーの作品を描いたのは、障害がある二人がそれぞれ絵と文字を書き、施設スタッフが二人をつなぐ接着剤としてかかわる三人組のアートユニット、マスカラ・コントラ・マスカラ(かうんと5所属 秋本和久、吉川健司、石平裕一)。
他にも、コマ割りを単純化したり、吹き出しとキャラクターの位置関係を厳密にするなど、障害者でも分かりやすいマンガを目指した「L Lマンガ」プロジェクト(吉村和真・藤沢和子・都留泰作)など、注目の作品や事例が紹介されている。
障害の有無を超越し、多様な作品が「ごちゃまぜ」に共存する空間を通じて、創造的に生きることの原点を実感しうる機会になる事を目指す。
「ここから」展は2016年秋に開催されて以来、毎年開催。今回で4回目となる。
「ここから4―障害・表現・共生を考える5日間」は国立新美術館 展示室1Aで2019年12月4日(水)~12月8日(日)に開催。観覧無料。
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