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レポート
コレクター鈴木常司 美へのまなざし 第Ⅰ期 ピカソとポーラ美術館の絵画
ポーラ美術館 | 神奈川県
寡黙だった「戦後最大のコレクター」
開館10周年を迎えた、箱根のポーラ美術館。モネ、ルノワール、ピカソなどコレクションの質の高さは有名ですが、収集したコレクターについては知らない方も多いのではないでしょうか。10周年記念の企画展では、ポーラ美術館の礎を築いた人物に焦点を当てます。
ポーラ五反田ビル会長室の再現
第2章「初期の収集とユトリロ」から、ドガ《踊り子たち》(左)
かつてのポーラ・コレクションの顔だったロダン《ナタリー・ド・ゴルベフの肖像》
こちらは、現在のポーラ・コレクションの顔であるルノワール《レースの帽子の少女》(右)
第5章「美の女神たち」から、村山槐多《湖水と女》(左)と黒田清輝《野辺》(右)
第9章「馬 ─ 坂本繁二郎から東洋陶磁」から、浅井忠《武蔵野》(左)と、小山正太郎《濁醪療渇黄羽村店》(右)
自然林の中を散策できる遊歩道を開放中(11月下旬まで)
1Fのレストラン「アレイ」では、開館10周年を祝う特別メニュー「祝祭のテーブル」を提供中
鈴木常司(すずきつねし 1930-2000)は、ポーラの創業二代目。経営学を学ぶために5年の予定でアメリカに留学しましたが、父の急逝により7カ月で帰国、23歳で社長に就任しました。

ポーラを飛躍的に成長させた経営者ですが、コレクターとしての顔は意外なほど知られていません。


第3章「絵画の照らす道 ─ ルオーとルドン」

日本のコレクターといえば大原孫三郎(大原美術館)、石橋正二郎(ブリヂストン美術館)などが有名ですが、ともにその活動は戦前のこと。鈴木がはじめて美術品を購入したのは1958年で、以後2000年までに約1万点を集めた鈴木は、まさに「戦後最大のコレクター」と呼ぶにふさわしい人物です。

コレクションは当時はポーラ五反田ビルの旧会長室などで展示されていました。役員フロアのエレベーターを降りると通路には名画が奈良美、あたかも著名な美術館のような雰囲気だったといいます。


第5章「美の女神たち」から、黒田清輝《野辺》

本展は1年かけて行われる「コレクター鈴木常司 美へのまなざし」の第I期。特集展示として19点所蔵しているピカソを紹介するなど、数々のコレクションを12章で紹介します。

通常のポーラ美術館の企画展は展示室1と2で開催されることが多いのですが、今回は全館を使って企画展となります。


ルノアールの3作品。右端が現在の看板娘《レースの帽子の少女》

鈴木は寡黙な人で、自らのコレクションについてあまり語らなかったそうですが、審美眼が優れたアドバイザーの助言を受けることも多いコレクターの世界において、独学で美術を学び、体系的にコレクションを広げていきました。

そのコレクションは1989年に開催された地方博覧会「SUNPU博」で、初めて一般に公開。大きな反響を受けて鈴木は美術館の建設を決意しますが、残念ながら開館を待たずに2000年に死去。美術館の開館は2年後のことでした。


第5章「美の女神たち」から、岡田三郎助《あやめの衣》

「コレクター鈴木常司 美へのまなざし」の第II期(2012年10月5日~2013年2月26日)の特集展示はモネ、第III期(2013年3月1日~7月7日)は杉山寧で開催されます。(取材:2012年7月18日)

ポーラ美術館ガイドブック きょうは一日 ポーラ美術館で。

公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館 (監修)

武田ランダムハウスジャパン
¥ 1,785

会場
会期
2012年7月14日(土)~10月2日(火)
会期終了
開館時間
9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日
会期中無休
住所
神奈川県箱根町仙石原小塚山1285
電話 0460-84-2111(代表)
0460-84-2111(代表)
公式サイト http://www.polamuseum.or.jp/index.php
料金
大人 1,800円 / シニア割引(65歳以上) 1,600円
大学生・高校生 1,300円 / 中学生・小学生(土曜日無料) 700円
※団体15名以上割引
展覧会詳細 コレクター鈴木常司 美へのまなざし 詳細情報
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