インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  天神万華鏡 ~常盤山文庫所蔵 天神コレクションより~

天神万華鏡 ~常盤山文庫所蔵 天神コレクションより~

■頭が良くなる展覧会
【会期終了】 学問の神様「天神さま」として崇められる、菅原道真(845-903)。その姿は、古来からさまざまな形で表現されてきました。受験シーズンにぴったりの企画展が、渋谷区立松濤美術館で開催中です。
江ノ島電鉄の経営などに関わった実業家・菅原通済(1894-1981)が創設した常盤山文庫。菅原道真の37代目の子孫を自称していた通済は、天神関連の資料を祖父の代から収集しており、現在では常盤山文庫コレクションの柱の一つとして数えられています。

本展では常盤山文庫の所蔵品から、天神関連の軸物や版画など全111点を紹介する企画展(会期中通じて)。実在した平安時代の貴族が、どのようにして神様として広まっていったのか、その諸相を展観します。


地下の展示室は肉筆画中心

当時の貴族の正装である束帯姿の菅原道真を描いた「束帯天神」は、中世から近世にかけて多くの絵師らが表現してきました。会場でも酒井抱一、鈴木其一らの著名の絵師の作品も紹介されます。

一般的な「束帯天神」は、憤怒の表情。無実の罪で太宰府に左遷となった恨みから、目は吊り上がり、下唇を噛みしめています。上下から押さえつけるように笏(しゃく)を持っているのも、怒りを堪えているポーズです。

天神さまが中国に行き、禅の名僧・無準師範(ぶしゅんしばん)から袈裟を授かったという「渡唐天神」の伝説。両者は200年以上時代が異なりますが、渡唐天神像も多くの絵画になりました。中国風の服装に履(くつ)を履き、肩には無準から授かった袈裟が入った袋。今では馴染みは薄いですが、江戸時代までは誰でも知っているポピュラーな画題でした。


「束帯天神」と「渡唐天神」

道真の波乱の人生と、天神になった後の逸話や伝説をあわせて描いたのが《北野天神縁起絵巻》です。

11歳で漢詩を詠む天才だった菅原道真。天皇の信任を得て55歳で右大臣まで上り詰めますが、左大臣の藤原時平と対立。時平の讒言によって大宰権帥(だざいごんのそつ)に左遷となり、失意のうちに2年後に没しました。

絵巻は12月29日までの前期で1巻、2015年1月4日~1月25日の後期で2・3巻を展示。寵愛していた邸内の紅梅に、有名な「東風吹かば匂い興せよ梅の花…」という別離の歌を詠む場面が描かれています。この梅の木は後に道真を慕って太宰府に飛来したという「飛梅伝説」の由来となるものです。


《北野天神縁起絵巻》

2階では浮世絵を紹介。版画が発達すると天神さまはさら広まり、浮世絵の黎明期から明治時代に至るまで、多くの絵師が天神さまや道真を主題にした作品を手掛けています。

江戸時代の娯楽の花形だった芝居においても、「菅原伝授手習鑑」は義太夫三大名作のひとつ。著名な役者が演じた名シーンを描いた浮世絵も大量に作られました。

江戸という地域においても、天神さまを祀っている亀戸天満宮と湯島天満宮は参詣・行楽の名所でもありました。天神信仰を背景に多くの人が訪れた両天満宮の姿を広重や三代豊国、小林清親らが美しい名所絵で描いています。


浮世絵に描かれた天神さま

蛇足ですが、道真は太宰府に「流された」とよくいわれますが、これは不正確。かなり位が下がったとはいえ、ちゃんと任官しているので「左遷」のほうが正しい表現です。

学問の神様に囲まれることになる会場。美術館を出る時は、心なしか聡明になっているかも?
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年12月8日 ]

※会期中展示替えがあります

応天の門 1応天の門 1

灰原 薬 (著)

新潮社
¥ 626

 
会場渋谷区立松濤美術館
開催期間2014年12月9日(火)~2015年1月25日(日)
所在地 東京都渋谷区松濤2-14-14
TEL : 03-3465-9421
HP : http://shoto-museum.jp/
展覧会詳細へ 天神万華鏡 ~常盤山文庫所蔵 天神コレクションより~ 詳細情報
取材レポート
国立科学博物館「特別展 ミイラ ~ 「永遠の命」を求めて」
特別展 ミイラ
町田市立国際版画美術館「美人画の時代―春信から歌麿、そして清方へ―」
美人画の時代
横浜美術館「オランジュリー美術館コレクション
オランジュリー
太田記念美術館「ラスト・ウキヨエ 浮世絵を継ぐ者たち ―悳俊彦コレクション」'
ラスト・ウキヨエ
東京国立近代美術館工芸館「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション
竹工芸名品
渋谷区立松濤美術館「日本・東洋 美のたからばこ」
美のたからばこ
五島美術館「特別展 美意識のトランジション ─ 十六から十七世紀にかけての東アジアの書画工芸 ─」
美のトランジション
東京都美術館「コートールド美術館展 魅惑の印象派」'
コートールド美術館
国立歴史民俗博物館「ハワイ:日本人移民の150年と憧れの島のなりたち」
ハワイ:日本人移民
上野の森美術館「ゴッホ展」'
ゴッホ展
神奈川県立近代美術館
ふたたびの「近代」
Bunkamura
リヒテンシュタイン
森アーツセンターギャラリー「バスキア展
バスキア
パナソニック汐留美術館「ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン」'
デュフィ
国立西洋美術館「ハプスブルク展
ハプスブルク展
東京国立博物館「正倉院の世界
正倉院の世界
国立新美術館「カルティエ、時の結晶」
カルティエ
福田美術館「開館記念 福美コレクション展」
福田美術館 開館
東京富士美術館「フランス絵画の精華」
フランス絵画の精華
三井記念美術館「茶の湯名椀『高麗茶碗』」'
高麗茶碗
寺田倉庫「STAR WARS™ Identities: The Exhibition」
スター・ウォーズ
ハラ ミュージアムアーク「加藤泉 ― LIKE A ROLLING SNOWBALL」
加藤泉
エリアレポート MIHO MUSEUM「The 備前 ―土と炎から生まれる造形美―」
[エリアレポート]
The 備前
エリアレポート 名古屋市美術館「カラヴァッジョ展」
[エリアレポート]
カラヴァッジョ
エリアレポート 岐阜県美術館「リニューアルオープン特別企画」
[エリアレポート]
岐阜美リニューアル
エリアレポート 京都国立近代美術館「円山応挙から近代京都画壇へ」
[エリアレポート]
円山応挙
エリアレポート 秋田県立美術館 「特別展 キスリング展 エコール・ド・パリの巨匠」
[エリアレポート]
キスリング
エリアレポート 岡山芸術交流2019 「IF THE SNAKEもし蛇が」
[エリアレポート]
岡山芸術交流
エリアレポート 国立科学博物館「風景の科学展 芸術と科学の融合」
[エリアレポート]
風景の科学展
エリアレポート 横尾忠則現代美術館「横尾忠則 自我自損展」
[エリアレポート]
横尾忠則 自我自損
エリアレポート 中之島香雪美術館 「交流の軌跡―初期洋風画から輸出漆器まで」
[エリアレポート]
交流の軌跡
エリアレポート 県立神奈川近代文学館 特別展「中島敦展 ― 魅せられた旅人の短い生涯」
[エリアレポート]
中島敦
エリアレポート 東京オペラシティ アートギャラリー「カミーユ・アンロ 蛇を踏む」
[エリアレポート]
カミーユ・アンロ
第3回 インターネットミュージアム検定
B-OWND 工芸のマーケットプレイスミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2020年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
2019年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
ゴッホ展 ハプスブルク展−600年にわたる帝国コレクションの歴史 特別展 ミイラ ~ 「永遠の命」を求めて 御即位記念特別展「正倉院の世界 ― 皇室がまもり伝えた美 ―」
カラヴァッジョ展 ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道 建国300年 ヨーロッパの宝石箱リヒテンシュタイン 侯爵家の至宝展 ラウル・デュフィ展 ― 絵画とテキスタイル・デザイン ―
博物館・美術館検索
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2019、グランプリは「つくぞう&つくみ」でした
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「猪」
グランプリは「ペッカリー(ヘソイノシシ)象形土偶」でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2019 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社