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    レポート
    百椿図(ひゃくちんず) 椿をめぐる文雅の世界
    根津美術館 | 東京都
    江戸にもあった、フラワーアレンジメントの世界
    お正月飾りの花といえば、椿。江戸時代初期には空前の椿園芸ブームが起こり、数多くの椿を集めた書物が制作されました。計約24メートルに及ぶ「百椿図」を大きく広げた展覧会が、根津美術館で開催中です。
    長々と椿が描かれる「百椿図」。こちらは下巻にあたる「末之巻」。
    こちらは上巻「本之巻」の最後。大根に活けられた椿がユーモラスです。
    「末之巻」には鼠も登場
    最初の歌は「いさはや」。「きみもいざ はやゆきて実よ こせやまの つらつらつばき はるすぎぬまに」と書いたのは、徳川光圀です。
    百椿図の目録。冒頭には、確かに「水戸黄門公」とあります。
    江戸時代の器「色絵椿文輪花向付」、京都の尾形乾山作。
    室町時代の屏風「四季花鳥図屏風」。四季花鳥図屏風では、椿は向かって左端、冬の場面に描かれることが多いそうです。
    会場入口。グラフィックが秀逸
    展示室6「初釜を祝う」。掛け軸は江戸時代のもので、森狙仙による「雲龍図」。
    根津美術館が所蔵する屈指の名品「百椿図」。「本之巻」「末之巻」の2巻の巻物で、100余種の園芸品種の椿が描かれています。

    2巻あわせると約24メートルという大作。いままでも何度か出品されたことはありますが、今回の展覧会では可能な限り広げて展示したことで、ほぼ全貌を見ることができます。


    百椿図

    百椿図の椿は、様々な器物を花器に見立てて描かれているのも特徴のひとつ。

    花瓶、籠、三方、膳などは普通ですが、文箱、硯箱、扇、団扇、ちりとり、羽箒…はては大根にいたるまで、身の回りの様々な品を使って椿を飾っています。いわば、江戸時代のフラワーアレンジメントといえるものです。

    また図中には皇族や門跡、公家や大名、歌人や俳人、儒学者、僧侶など49人の人々が和歌や俳句、漢詩を書いています。

    丹波(現在の兵庫県)篠山藩主の松平忠国とその息子が二代にわたって書いてもらったようで、その冒頭は徳川光圀。ご存知、水戸の黄門さまによるものです。


    会場

    展覧会には百椿図のほかに、室町時代の花鳥画や江戸時代の工芸品なども出展。

    また同時開催のテーマ展示は、展示室2で守護神・福徳神の絵画を展示する「天部の絵画 守護と福徳の神々」、展示室6では新年を迎えて最初に行う茶会、初釜にふさわしい道具を紹介する「初釜を祝う」も紹介されています。

    可能なら、和服を着て鑑賞したい展覧会。新春に相応しい、雅な雰囲気をお楽しみください。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2012年1月6日 ]
     
    会場
    会期
    2012年1月7日(土)~2月12日(日)
    会期終了
    開館時間
    10:00~17:00(入館は16:30まで)
    休館日
    毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、展示替期間、年末年始
    住所
    東京都港区南青山6-5-1
    電話 03-3400-2536
    公式サイト http://www.nezu-muse.or.jp/
    展覧会詳細 「百椿図(ひゃくちんず) 椿をめぐる文雅の世界」 詳細情報
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