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巨匠たちのクレパス画展 ―日本近代から現代まで―

■「子ども向け」は、大きな誤解です
【会期終了】 1925年(大正14)、日本で誕生したクレパス。当初から児童教育の現場で使われたため「子ども向けの画材」というイメージが強いですが、その優れた特性により、想像以上の多彩な表現が可能です。文化勲章受章者など、超一流の画家がクレパスで描いた作品を紹介する展覧会が、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で開催中です。
線描に向いていますが、重ね塗りや混色ができないクレヨン。繊細なグラデーション表現や混色が可能ですが、紙の上での定着に難があるパステル。両者の良いところを合わせ持つ画材として開発されたのが、クレパスです。

クレパスの普及に大きく寄与したのが、洋画家の山本鼎(やまもとかなえ)。山本は児童画の教育において、手本を模写させていた臨画教育から、感じたままに描かせる自由画教育への転換を推進。描きやすいクレパスは、教育現場に広まっていきました。

本展は、サクラアートミュージアムが所蔵するクレパス画を紹介するもの。サクラクレパスは戦後から1960年代にかけて、当時すでに大家とよばれていた作家に声をかけて、クレパスによる絵画制作を依頼。この流れは、現在でも続いています。

会場には日本近代美術史に残る巨匠から、新進気鋭の現代美術家まで、多彩な顔ぶれによるクレパス画がずらり。いくつかご紹介しましょう。

寺内萬治郎(1890-1964)は日本芸術院会員。「裸婦の寺内」と称される的確な人体表現は、クレパスでも見事に表現されています。

展覧会には洋画家だけでなく、彫刻家や版画家の作品があるのも特徴的。先日、100歳で亡くなった浜田知明(1917-2018)のクレパス画もあります。

「太陽の塔」で知られる岡本太郎(1911-1996)のクレパス画は2点展示。岡本太郎は、どの画材を使っても、岡本太郎になります。

気鋭の作家では、入江明日香(1980-)や絹谷香菜子(1985-)など。繊細な描写はクレパス画とは思えませんが、さまざまな道具を使う事により、クレパスはさらに表現の幅を拡げる事が可能です。



絵具と違い、乾きを待つ必要が無いクレパス。半分に折って短くしたクレパスの側面を使う事で面描が可能で、厚く塗り込むとクレパス特有のしっとりとした塗面が得られます。絵具と違って何色混ぜても色が濁らないのもポイント。経年劣化によるダメージにも強い、極めて優秀な描画材料なのです。

ここまで読んで自分でも描きたくなった方は、1階ロビーの「クレパス画体験コーナー」へ。ゴッホ「ひまわり」のぬり絵など、色々なクレパス画が体験できます。事前申し込みの必要はなく、当日自由参加が可能、しかも無料です。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2018年7月13日 ]

※作品はすべてサクラアートミュジアム蔵


料金一般当日:1,000円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon

 
会場東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
開催期間2018年7月14日(土)~9月9日(日)
所在地 東京都新宿区西新宿1-26-1損保ジャパン日本興亜本社ビル42階
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://www.sjnk-museum.org
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