IM
    レポート
    明治150年記念 日本を変えた千の技術博
    国立科学博物館 | 東京都
    貴重な歴史的資料がずらり
    ちょうど150年前の明治改元。当初は西洋と大きな差がありましたが、近代化を進めて多くの分野で世界レベルを達成。敗戦後も焼け野原から立ち上がり、驚異的なスピードで経済大国となりました。現在の日本を築いたさまざまな科学・技術を紹介する展覧会が、国立科学博物館で開催中です。
    (左奥から)《電気扇》明治時代(左奥)《エジソン クラスM蓄音機》1890(明治23)年頃 ともに国立科学博物館
    (左奥から)《大丸台》(参考資料) / 《帯締め用組みひも機》 ともに東京農工大学科学博物館
    3-2「家電の登場と生活改善」
    (左奥)《Milburn 電気自動車》1920(大正9)年頃 / (右手前)《マツダ コスモスポーツ》1967(昭和42)年 ともに国立科学博物館
    カイコ(家蚕)の品種
    《コマツブルドーザーG40(小松1型均土機)》1943(昭和18)年
    昭和の電話 赤電話、ショルダーホンなど
    (左奥)《テープレコーダーG型》1950(昭和25)年 国立科学博物館 / (右手前)《「ウォークマン」一号機 TPS-L2》1979(昭和54)年 ソニー
    《パーソナルコンピューター PC-8001》1979(昭和54)年発売 国立科学博物館
    幾多の困難を乗り越えて、世界有数の豊かさを手に入れた日本。その要因のひとつが、科学・技術の進展です。展覧会では600点超の資料で、日本を変えた科学・技術を紹介していきます。

    会場は8章構成で、さらに各章が2~7つに分類。時代もジャンルもかなり幅が広いので、ここでは特に目についたものに絞ってご紹介しましょう。

    まずは「学校」。現在の物理学は、幕末には「窮理(きゅうり)」と呼ばれていました。窮理は西洋の科学技術を象徴する存在とみなされ、ブームのように広まっていきました。

    庁舎などで西洋建築が広まると、その技術を知らなかった日本人の棟梁たちは、在来の工法で洋風らしさに挑戦します。清水建設の清水喜助、鹿島建設の鹿島岩吉らも、そのひとりです。

    庶民の生活が大きく変わるきっかけになったのは、家庭電化製品です。ただ、日本で初めて芝浦製作所が電球付電気扇を製造した1894(明治27)年には、ほとんどの家に電気は来ていませんでした。家庭電化製品の国内生産は、1930(昭和5)年頃に最高潮に達しています。



    世界に冠たる日本の自動車メーカー。戦前の改進社や白楊社はその先駆けです。戦後になってさまざまな技術開発が進むと、ロータリーエンジンやCVCCエンジンなど、世界を驚かせる独自の技術も誕生しました。

    地震や台風など、自然災害が多い日本ですが、度重なる経験は防災技術の発展につながりました。コンピューターを使った設計により、超高層ビルの建築も可能に。1968(昭和43)年の霞が関ビルディングは、その後の超高層ビル建設のスタンダードになりました。

    世界初の携帯型ステレオカセットプレーヤは、ご存じウォークマン。今ではあたり前の「音楽を一人でどこでも楽しむ」事は、ウォークマンが登場するまで、あり得ませんでした。技術が文化を変えた顕著な例です。

    電子式の卓上計算機が普及したのは1970年代。それまでは、物差しをずらして使う「計算尺」が使われてきました。日本の竹を用いたヘンミ計算尺は使い勝手が良く、世界中に普及しています。

    「HITAC5020」は、1964(昭和39)年に開発された、日本初の大型汎用電子計算機。内部の配線は凄まじく、技術者の執念がにじみ出ているようです。当時は外国機とも遜色ない性能を誇りましたが、もちろん現代のパソコンとは比較になりません。

    会場には重要文化財をはじめ、化学遺産、機械遺産、情報処理技術遺産、でんきの礎、未来技術遺産と、科学系の貴重な歴史的資料も多数展示。発明や発見にまつわるエピソードもあわせてお楽しみいただけます。

    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2018年10月29日 ]


    料金一般当日:1,600円
     → チケットのお求めはお出かけ前にicon

     
    会場
    会期
    2018年10月30日(火)~2019年3月3日(日)
    会期終了
    開館時間
    9:00~17:00(入館は16:30まで)
    ※当面の間、常設展示の夜間開館(金曜日・土曜日 17:00~20:00)は休止いたします。
    休館日
    月曜日(ただし12月24日(月)、1月14日(月)、2月11日(月)、2月25日(月)は開館)、12月28日(金)~1月1日(火・祝)、1月15日(火)、2月12日(火)
    住所
    東京都台東区上野公園7-20
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://meiji150.exhn.jp
    料金
    一般・大学生 1,600(1,400)円 / 小・中・高校生 600(500)円

    ※( )内は前売券料金
    ※同日に限り常設展(地球館・日本館)もご覧いただけます。
    ※未就学児は無料
    ※障がい者手帳をお持ちの方とその介助者1名は無料

    【金曜・土曜限定ペア得ナイト券】
    2名様1組 2,000円(会場での当日販売のみ)

    ※金曜日・土曜日の17時以降、2名様同時入場、最終入場は17時30分
    展覧会詳細 明治150年記念 日本を変えた千の技術博 詳細情報
    おすすめレポート
    学芸員募集
    【公益財団法人ポーラ伝統文化振興財団】学芸員募集 [ポーラ伝統文化振興財団(品川区西五反田)141-0031 東京都品川区西五反田2-2-10 ポーラ五反田第二ビル]
    東京都
    丸沼芸術の森 運営スタッフ募集中! [丸沼芸術の森]
    埼玉県
    八尾市歴史民俗資料館 学芸員募集中! [八尾市歴史民俗資料館での学芸員職]
    大阪府
    大学内博物館での学芸員募集! [早稲田大学演劇博物館]
    東京都
    城陽市歴史民俗資料館 学芸員(会計年度任用職員)募集中! [城陽市歴史民俗資料館]
    京都府
    展覧会ランキング
    1
    SOMPO美術館 | 東京都
    北欧の神秘 ― ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画
    開催まであと4日
    2024年3月23日(土)〜6月9日(日)
    2
    東京ドームシティ Gallery AaMo(ギャラリー アーモ) | 東京都
    逆境回顧録 大カイジ展
    開催中[あと54日]
    2024年3月16日(土)〜5月12日(日)
    3
    東京都美術館 | 東京都
    印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵
    開催中[あと19日]
    2024年1月27日(土)〜4月7日(日)
    4
    東京国立近代美術館 | 東京都
    美術館の春まつり
    開催中[あと19日]
    2024年3月15日(金)〜4月7日(日)
    5
    紅ミュージアム | 東京都
    企画展「ミニチュア愛(らぶ)!」
    開催中[あと19日]
    2024年2月20日(火)〜4月7日(日)