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    レポート
    開館記念展「見えてくる光景 コレクションの現在地」
    アーティゾン美術館 | 東京都
    アートの地平へ
    東京駅八重洲口から徒歩5分という絶好の立地で、60年以上に渡って美術ファンを楽しませてきた旧ブリヂストン美術館が、名称も新たにアーティゾン美術館としてオープンしました。開館記念の展覧会では、館蔵の名品が紹介されています。
    (中央)コンスタンティン・ブランクーシ《ポガニー嬢Ⅱ》1925年(2006年鋳造)
    (左から)エドゥアール・マネ《オペラ座の仮装舞踏会》1873年 / エドゥアール・マネ《自画像》1878-79年
    (左から)ウンベルト・ボッチョーニ《空間における連続性の唯一の形態》1913年(1972年鋳造) / アンリ・マティス《縞ジャケット》1914年
    (左から)ジーノ・セヴェエリーニ《金管奏者(路上演奏者)》1916年頃 / フランシス・ピカビア《アニメーション》1914年
    (中央)コンスタンティン・ブランクーシ《接吻》1907-10年
    (左から)オディロン・ルドン《Ⅱそして彼方には星の偶像、神格化》1891年 / オディロン・ルドン《Ⅵ日の光》1891年
    《洛中洛外図屏風》江戸時代 17世紀
    (左から)ベルト・モリゾ《バルコニーの女と子ども》1872年 / クロード・モネ《アルジャントゥイユの洪水》1872-73年
    メアリー・カサット《娘に読み聞かせるオーガスタ》1910年

    2015年5月に終了した「ベスト・オブ・ザ・ベスト」展の後、長期休館となっていた旧ブリヂストン美術館。ビルは立て替えられ、以前と同じ場所に23階建て高層ビル「ミュージアムタワー京橋」が新築されました。アーティゾン美術館は、その低層部(展示室は4~6階)に入っています。


    新しい館名のアーティゾン「ARTIZON」は、「ART」(アート)と「HORIZON」(ホライゾン:地平)を組み合わせた造語。アートによる限りない地平を多くの方に感じてもらいたい、という意志が込められています。


    美術館としては珍しく、日時指定予約制を導入。来館前に「ウェブ予約チケット」を購入し、指定した時間枠(1日4枠、金曜のみ5枠)に入館する事で、入館までの待ち時間や館内の混雑を緩和しようという試みです。


    なお、場合によっては「買った時間に間に合わない!」という事もありそうですが、1回に限り、日時指定の変更も可能です。


    チケットはQRコードで、3階のセキュリティゲートにかざして入館。今回の展覧会は、エレベータで上がって6階からスタート。エスカレーターで順に下がっていく導線です。再入場はできませんが、6~4階の展示室の往来は自由です。



    開館記念の本展は、展示面積が約2倍になった美術館の全展示室を使い、206点を展示します。アーティゾン美術館は休館期間中も作品の収集活動を続けており、本展で初公開となる新収蔵作品31点も見どころとなります。


    展覧会は2部構成で、6階が第1部「アートをひろげる」。1870年代のマネから2000年代のスーラージュまで、約140年間の作品を一つの地平に並べる事で、美術の風景を一望します。


    旧美術館の顔だった、ピエール=オーギュスト・ルノワール《すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢》、エドゥアール・マネ《自画像》のほか、新収蔵作品のメアリー・カサット《日光浴(浴後)》などが目をひきます。


    今回は絵画が多いので壁が立てられていますが、6階の展示室は柱が無い大空間です。現代美術の大型作品にも対応可能で、今後はさまざまな企画が行われそうです。


    5階~4階は、第2部「アートをさぐる」。装飾・古典・原始・異界・聖俗・記録・幸福と7つの視点で、アートを掘り下げていきます。


    「聖俗」のゾーンには、新収蔵の《洛中洛外図屏風》も展示。継ぎ目のない15mの1枚ガラスの展示ケースにより、細かな部分までしっかり楽しむ事ができます。


    4階と5階のビューデッキは、展示室とつながった展望休憩コーナー。嬉しい事に電源もあるので、スマホの充電も可能です。館内は撮影禁止マークのついている作品以外は撮影できるため、お気に入りの一点をSNSで発信するのもOKです。


    あらゆる面で最先端の美術館になったアーティゾン美術館。現代美術が展示される次回の展覧会も楽しみです。


    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2020年1月16日 ]


    美術展ぴあ2020美術展ぴあ2020

     

    ぴあ
    ¥ 968

    会場
    会期
    2020年1月18日(土)~3月31日(火)
    会期終了
    開館時間
    10:00-18:00
    (祝日を除く毎週金曜日は20:00まで)

    【日時指定予約制】
    入館までの待ち時間の緩和、より快適な鑑賞環境をご提供するために、1日を以下の入館時間枠に区切り、その時間枠内にご入館頂きます。
    ①10:00-11:30  
    ②12:00-13:30  
    ③14:00-15:30 
    ④16:00-17:30
    ⑤金曜日のみ 18:00-19:30(ただし祝日を除く)

    ※指定した時間枠内であれば、いつでもご入館頂けます。
    ※入館後は閉館まで時間制限なくご鑑賞頂けます。入替制ではありません。
    ※各時間枠の開始時刻直後は混雑が予想され、入館をお待ち頂く場合があります。
    休館日
    毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始、展示替え期間、臨時休館日
    ※展覧会によって異なる場合があります。
    住所
    東京都中央区京橋1-7-2
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト https://www.artizon.museum/
    展覧会詳細 開館記念展「見えてくる光景 コレクションの現在地」 詳細情報
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