インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
【注意】新型コロナウィルス感染防止にともない、展覧会・イベントは中止になる場合があります。必ず公式サイトでご確認ください。[休館情報はこちら]
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  輝ける金と銀 ― 琳派から加山又造まで ―

輝ける金と銀 ― 琳派から加山又造まで ―

■豊富な技法、効果は多彩
【会期終了】 時代やジャンルを問わず、日本の絵画には金と銀が多用されてきました。薄く延ばして箔に、箔を小さく切って切箔に、細かく砂状にして砂子(すなご)に、粉状にして泥(でい)に…。テクニカルな解説も楽しい、日本美術における金と銀の表現を辿る展覧会です。
高松塚古墳やキトラ古墳で太陽に金箔、月に銀箔が使われているように、日本の絵画で古くから用いられてきた金と銀。中でも明治以降には多彩な技法を駆使した日本画が次々に作られ、飛躍的な発展をみせました。

本展は平安期の料紙装飾や江戸琳派なども紹介しつつ、近代・現代の作品における金と銀の表現を展観する企画展。会場入口の艶やかな一枚は、大正6年に描かれた松岡映丘《春光春衣》(山種美術館)です。平安後期という時代性を意識した華麗な装飾的表現が目をひきます。


松岡映丘《春光春衣》山種美術館

今回の展覧会には、箔装飾技法を研究している東京藝術大学講師の並木秀俊氏が協力。金・銀が使われた作品を展示するだけでなく、その作品でどのような技法が使われているか、サンプルを見せながら解説していきます。

例えば、横山大観による《竹》(山種美術館)は、画面の裏から金箔を貼り付ける「裏箔」を用いた作品。前に置かれたサンプルは、同じ絹本に描かれた竹ですが、裏箔があるものと無いものを並べると、その差は一目瞭然です。

同じく横山大観の《喜撰山》(山種美術館)は、金箋紙(きんせんし:裏に金箔を貼った紙の表面を薄く剥いだもの)に描かれたと想定できる作品。京都の土の赤さを表現するために、大観はこの手法を用いました。サンプルでは厚さが異なる紙を用意。動画では分かりにくいですが、近くで見ると効果の違いが確認できます。


箔や泥の道具や材料も展示 作品は順に横山大観《竹》、横山大観《喜撰山》 いずれも山種美術館

山種美術館の看板的な所蔵作品のひとつが、重要文化財の速水御舟《名樹散椿》。ご覧になった事がある方は、背景の金色が、見事なまでに均一になっている事を覚えているかもしれません。一般的に背景を金色にする時は金箔を用いますが、この作品の金地は「撒きつぶし」。金砂子を何度も撒いては擦りつぶす技法で、金箔よりずっと多くの金が必要なため手間も費用もかかります。

絵画で「撒きつぶし」はあまり用いられませんが、御舟は少年時代に蒔絵の手ほどきを受けた事があるため、蒔絵における同様の手法「沃懸地」(いかけじ)を参考にしたのかもしれません。

ここでもサンプルが紹介されており、順に箔押し、金泥、撒きつぶしによる金地。こちらは動画でも、撒きつぶし独特の均質感が分かると思います。


[重要文化財]速水御舟《名樹散椿》山種美術館

会場には、戦後から現代の日本画も紹介されています。加山又造のように、新しい手法と古典的な主題を融合させた作家がいる一方で、従来とは異なる捉え方で金や銀を用いる作家もいます。

例えば山本丘人の《真昼の火山》(山種美術館)は、銀箔の上に胡粉を塗ったり、金泥で立木を描いたりと、一面に金銀が使われていますが、描かれた山は荒々しい仕上がり。装飾的な効果からは離れ、自然を力強く描く材料として金や銀を用いています。


戦後から現代の日本画 動画の最後が山本丘人《真昼の火山》山種美術館

絵画の表現において、ここまで豊かに金と銀を使うのは日本ならでは。高度な技術と繊細な表現をお楽しみください。

山種美術館は2016年で創立50周年。これを期に、公募形式の美術館賞「Seed 山種美術館 日本画アワード」が新設されると発表がありました。記念すべき第1回は2016年1月3日~2月22日に作品を公募し、2016年5月に開催される「Seed 山種美術館 日本画アワード2016」展で発表・展示。大賞(1名)は副賞200万円、優秀賞(1名)は副賞100万円です。これからの日本画界を牽引する若手アーティストの応募が期待されます。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年9月24日 ]

※10月21日(火)から一部の作品が展示替えされます。

加山又造 美 いのり

加山 又造

二玄社
¥ 3,240

 
会場山種美術館
開催期間2014年9月23日(火・祝)~11月16日(日)
所在地 東京都渋谷区広尾3-12-36
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://www.yamatane-museum.jp/
展覧会詳細へ 輝ける金と銀 ― 琳派から加山又造まで ― 詳細情報
新型コロナウイルス特集 with corona after corona
新型コロナウイルス特集 美術館・博物館・ミュージアムの休館・再開情報(毎日更新)
新型コロナウイルス特集 開幕延期・中止になった展覧会 会場レポート
新型コロナウイルス特集 会期が変更された2020年注目の展覧会
新型コロナウイルス特集 再開したミュージアムで始まった展覧会
取材レポート
エリアレポート 豊田市美術館「久門 剛史 - らせんの練習」
[エリアレポート]
久門剛史展
東京ステーションギャラリー「神田日勝
神田日勝
東京都江戸東京博物館「奇才
奇才
東京国立近代美術館「ピーター・ドイグ」'
ピーター・ドイグ
国立西洋美術館「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」'
ロンドンナショナル
エリアレポート 大阪市立美術館「フランス絵画の精華」
[エリアレポート]
フランス絵画の精華
エリアレポート 茨城県陶芸美術館「幻の横浜焼・東京焼」
[エリアレポート]
幻の横浜焼・東京焼
エリアレポート 京都市京セラ美術館がオープン
[エリアレポート]
京セラ美術館
エリアレポート 渋谷区立松濤美術館「真珠 ― 海からの贈りもの」
[エリアレポート]
真珠
足立美術館に「魯山人館」がオープン'
魯山人館オープン
クラシックホテル展
クラシックホテル
アソビル「バンクシー展
バンクシー
岡田美術館「生誕260年記念 北斎の肉筆画
北斎の肉筆画
三菱一号館美術館「画家が見たこども」'
画家が見たこども
エリアレポート 市原湖畔美術館「雲巻雲舒 ― 現代中国美術展・紙」
[エリアレポート]
雲巻雲舒
エリアレポート 東京国立近代美術館「ピーター・ドイグ展」
[エリアレポート]
ピーター・ドイグ
エリアレポート 細見美術館「飄々表具 ー 杉本博司の表具表現世界 ー」
[エリアレポート]
飄々表具 杉本博司
エリアレポート ふじのくに地球環境史ミュージアム「消えゆく隣人」
[エリアレポート]
消えゆく隣人
国立新美術館「古典×現代2020」'
古典×現代2020
21_21
デザイナー達の原画
エリアレポート 愛知県陶磁美術館「異才 辻晉堂の陶彫」
[エリアレポート]
辻晉堂の陶彫
第3回 インターネットミュージアム検定
B-OWND 工芸のマーケットプレイスミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2020年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 ハマスホイとデンマーク絵画 特別展「奇才―江戸絵画の冒険者たち―」 フランス絵画の精華
写真展「138億光年 宇宙の旅」 【特別展】竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス 真珠 ― 海からの贈りもの 特集展示 大津絵と江戸の出版
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「鼠」
グランプリは《大根喰う(大黒)》でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2019、グランプリは「つくぞう&つくみ」でした
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2020 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青社グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社