IM
レポート
生誕90年 加山又造展~生命の煌めき
日本橋髙島屋S.C.本館 | 東京都
久しぶりの大回顧展
戦後の日本画壇に新風を吹きこんだ加山又造(1927-2004)。日本画の古典的な意匠を踏まえつつ、西欧のさまざまな絵画も貪欲に取り込み、華麗な作品は広く人気を集めました。今年は生誕90年のメモリアルイヤー、久しぶりの大回顧展が、日本橋高島屋から始まりました。
(左から)《月と縞馬》1954年 個人蔵 / 《ひるね》1955年 個人蔵
(左から)《紅白梅》1965年 個人蔵 / 《白梅》1966年 株式会社ヤマタネ蔵
(左から)《猫》1980年頃 個人蔵 / 《猫》1972年 個人蔵
(左から)《ヒョウ》1957年 個人蔵 / 《蟹とレモン》1955年 個人蔵
(左から)《鉄赤絵金銀彩白牡丹文大鉢》(番浦史郎作陶) 1982年 個人蔵 / 《掻落桜文俎皿》(番浦史郎作陶) 1978年 個人蔵
(左から)《夜櫻》1990年 佐藤美術館蔵 / 《白雪の嶺》2001年 個人蔵
《倣北宋水墨山水雪景》 1989年 多摩美術大学美術館蔵
(左から)《祇園祭山鉾南観音山見送り「龍王渡海」原画》1988年 南観音山保存会蔵 / 《月と秋草》1996年 奈良県立万葉文化館蔵
豊かな感性から生み出される作品で、生前は日本画壇を牽引した加山又造。2004年に死去した後、没後5年にあたる2009年に国立新美術館で大回顧展が開催されましたが、本展はそれ以来となる大型展です。

1章は「動物 ─ 西欧との対峙」。東京美術学校(現東京芸術大学)で学んでいた加山は、上野動物園での写生で研鑽。デビューした50~60年代には動物をモチーフにした実験的な作品を描いています。

2章は「伝統の発見」。60年代半ば頃から伝統的な様式美・装飾美を意識した作品が増えた加山。国際化が進む中で、逆に日本固有の美意識への関心が高まりつつあった時代の波を掴み、徐々に飛躍していきます。


1章「動物 ─ 西欧との対峙」、2章「伝統の発見」

3章は「生命賛歌」。さまざまな動物画を描いた加山。なかでも猫はお気に入りだったようで、何点も猫の絵を残しています。変わったところでは「野鳥の会」の会報の表紙絵。多様な鳥の姿を、デザイン性豊かに描きました。

目を引く大作が、裸婦を描いた四曲一双の屏風《はなびら》。大胆なポーズで、強いエロティシズムを感じさせます。加山は1970年代から裸婦を手掛けていますが、この作品は1986年の作品です。


3章「生命賛歌」

4章は「伝統への回帰」。1970年代後半からは、水墨画の大作にも挑戦。1978年には中国・黄山への訪問を果たし、北宋画に倣った作品を手掛けます。琳派風の表現にもさらに磨きがかかり、鋭い感性から数多くの名作が生まれました。


4章「伝統への回帰」

日本画家としての活動が有名な加山ですが、陶器や着物の絵付けなども行っています。会場では、加山のトレードマークともいえる千羽鶴をあしらった大鉢や留袖、牡丹を配した大鉢や振袖などを紹介。振袖をよく見ると、牡丹は着物に直接描かれている事も分かります。


5章「工芸」

加山が東京美術学校を卒業したのは1949年。戦後の混乱の中、日本画が存在する意義さえ危ぶまれる時代でしたが、加山ならではの独特のセンスと、時代を読み取る嗅覚を合致させて、人々の心を掴む作品を世に送り出していきました。

存命中は間違いなく頂点の一角を占めていた加山又造。まとまった作品展が久しぶりとは、逆に意外にも思えます。残念ながら百貨店なので会期は短めですが、夜は連日19:30までOKです(最終日は18時まで、ともに来場は30分前まで)。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2017年2月21日 ]

加山又造 美 いのり加山又造 美 いのり

加山 又造

二玄社
¥ 3,240


■生誕90年 加山又造展 に関するツイート


 
会場
会期
2017年2月22日(水)~3月6日(月)
会期終了
開館時間
10:30~19:30
※本館8階特別食堂とレストラン街及び地2階レストラン街は11:00~21:30
休館日
日本橋高島屋ホームページ等にてご確認ください。
住所
東京都中央区日本橋2-4-1
電話 03-3211-4111
公式サイト http://www.takashimaya.co.jp/store/special/event/kayama.html
料金
一般800円、大学・高校生600円、中学生以下無料
展覧会詳細 生誕90年 加山又造展~生命の煌めき 詳細情報
おすすめレポート
ニュース
ご招待券プレゼント
学芸員募集
展覧会ランキング
おすすめコンテンツ