国立新美術館での記者発表会場にて (左から)逢坂恵理子(国立新美術館 館長)、尹志慧(国立新美術館 特定研究員)、井田大介、地主麻衣子、木浦奈津子
パンデミックをきっかけに考えられるようになった社会の在り方、その中の私たちの暮らしや労働など、様々な事象を現代美術を通して考察する展覧会「遠距離現在」の開催を前に、国立新美術館で記者発表が行われた。
展覧会のタイトル「遠距離現在」は、ソーシャル・ディスタンスなどコロナ禍社会の状況だけでなく、資本と情報が世界規模で移動する、今世紀の状況をふまえて設定。
過剰な監視システム、精密なテクノロジーがもたらす滑稽さ、人間の深い孤独を感じさせる作品など、ポストコロナ時代の世界と真摯に向き合う作品を紹介する。
展覧会を担当した尹志慧(国立新美術館 特定研究員)氏は「ストレス無く鑑賞できるようにバランスに気を配り、難解さが強調されがちな現代アートとは一線を画した」としている。
展覧会は2部構成で、第1部が「Pan-の規模で拡大し続ける社会」、第2部は「リモート化する個人」。出品作家は8名+1組で、第1部が井田大介、トレヴァー・パグレン、ジョルジ・ガゴ・ガゴシツェ+ヒト・シュタイエル+ミロス・トラキロヴィチ、徐冰(シュ・ビン)、地主麻衣子。第2部がティナ・エングホフ、チャ・ジェミン、エヴァン・ロス、木浦奈津子。
「遠距離現在 Universal / Remote」は、国立新美術館 企画展示室 1E、2024年3月6日(水)~6月3日(月)で開催。観覧料は一般 1,500円など。
展覧会は巡回展で、熊本市現代美術館で2023年10月7日(土)~12月17日(日)まで開催中。国立新美術館での展覧会の後に、広島市現代美術館で2024年6月29日(土)~9月1日(日)に開催される。