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    レポート
    日本の映画ポスター芸術
    国立映画アーカイブ | 東京都
    クリエイターによる映画宣伝
    グラフィックデザイナーの粟津潔、美術家の横尾忠則、イラストレーターの和田誠、アニメ作家の久里洋二、劇画家の上村一夫、舞台美術の朝倉摂、…映画ポスターの芸術性にフォーカスした企画展が、東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中です。
    第1章「モダニズムの幕開け」
    左の「禁じられた遊び」は、ヨーロッパ映画のポスターで一時代を築いた野口久光によるもの。
    黒澤明「生きる」を描いたのは猪熊弦一郎。他の6枚は挿絵画家の岩田専太郎。
    右の「肉弾」は久里洋二。中央上「身も心も」は林静一。
    日本アート・シアター・ギルドのポスター。大胆な構成が目立つ。
    粟津潔による3点。
    横尾忠則の3点。右は作風がかなり違います。
    和田誠の作品群。左が空想の映画講座のポスター。
    常設展示。当時の機材などが並びます。
    映画の宣伝といえば、テレビCMやネットプロモーションも盛んに行われますが、今でも街角で目にした映画ポスターに目をひかれて劇場に足を運ぶ人も多いのではないでしょうか。

    本展は、日本で作られた映画ポスターを通じて、映画とグラフィズムとの結節点を探る企画です。1930年代から近代までの映画ポスター、106点を4章構成で紹介しています。


    会場

    一般的に映画ポスターは、製作・配給会社のもとで匿名的に作られるものが多く、そのデザインも様式的な傾向がありますが、本展ではその制約からはみ出した個性の強いポスターを揃えています。

    1930年代の松竹映画で活躍したグラフィックデザイナー草分けの河野鷹思、妖艶な美人画で魅了する挿絵画家の巨匠・岩田専太郎、余白を活かした大胆な構成は日本アート・シアター・ギルド作品のポスター…画面にぶつけられた挑戦的なデザインは、宣伝でありながらも映画に負けじと闘っているようにも見えます。


    会場

    展示の目玉といえるのが、イラストレーターの和田誠さんによる4枚のポスター。このポスターは和田さんが空想の映画講座を題材に1960年に制作したものです。空想の講座の主催は、東京国立近代美術館フィルム・ライブラリー(現フィルムセンター)。つまり制作から半世紀を経て、主催者の元に帰ってきたことになります。

    いつもより若い方の来場が目立つという本展。映画ファンはもとより、デザインを学ぶ学生にとっても刺激になると思われます。

     


    最後に東京国立近代美術館フィルムセンターについてもご紹介します。日本唯一の国立映画機関であるフィルムセンターは、約63,000本の映画フィルム、約33,000冊の映画関連書籍などを所蔵。7階の展示室ではご紹介した企画展のほか、映画機材などを展示する常設展もあります。

    ホールでは古今東西の名作映画を上映。比較的低料金で見られることもあり、多くの映画ファンに支持されています。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2012年1月10日 ]
     
    会場
    会期
    2012年1月7日(土)~3月31日(土)
    会期終了
    開館時間
    ◆長瀬記念ホール OZU・小ホール
    <開映時間>
    作品によって開映時間が異なります。
    詳細はHP、またはハローダイヤルにお問い合わせ下さい。

    ◆展示室11:00~18:30(入場は18:00まで)
    ◆図書室12:30~18:30(入室は18:00まで)
    ※新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、当面の間、土曜日も閉室としております。
    休館日
    ◆上映ホール・展示室-月曜日、上映準備期間、
     展示替期間、年末年始
    ◆図書室-上記に加え、土曜、日曜日
    住所
    東京都中央区京橋3-7-6
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://www.momat.go.jp/FC/POSTERJAPAN/index.html
    展覧会詳細 「日本の映画ポスター芸術」 詳細情報
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