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レポート
ギュスターヴ・モロー 展 ― サロメと宿命の女たち ―
パナソニック汐留美術館 | 東京都
ファム・ファタルの原点は
フランスを代表する象徴主義の画家、ギュスターヴ・モロー(1826-1898)。その画業において、繰り返し描かれたファム・ファタル(宿命の女)に焦点を当てた展覧会が、パナソニック汐留美術館(旧・パナソニック 汐留ミュージアム)で開催中です。
(手前)《24歳の自画像》1850年 ギュスターヴ・モロー美術館蔵
いずれも、《アレクサンドリーヌ・デュルー》 いずれも、ギュスターヴ・モロー美術館蔵
《パルクと死の天使》1890年 ギュスターヴ・モロー美術館蔵
左から)《トロイアの城壁に立つヘレネ》 / 《ヘレネ》 いずれも、ギュスターヴ・モロー美術館蔵
(左から)《メデイアとイアソン》 / 《死せるオルフェウス》 いずれも、ギュスターヴ・モロー美術館蔵
(左から)《セイレーンと詩人》 / 《レダ》 いずれも、ギュスターヴ・モロー美術館蔵
《ヘラクレスとオンファレ》1856-57年 ギュスターヴ・モロー美術館蔵
(手前)《妖精とグリフォン》 / (奥)いずれも、《一角獣》1885年頃 いずれも、ギュスターヴ・モロー美術館蔵
同時代の象徴主義画家の中でも際立った存在で、19世紀末の芸術や文学に大きな影響を与えた画家、ギュスターヴ・モロー。1826年にパリで生まれました。

建築家の父ルイ・モローと、音楽が好きだった母ポーリーヌのもと、芸術に恵まれた環境で育ったモロー。特に母に対しては特別な思いがあり、「この世で最も大切な存在」と表現するほど。母子の絆は、妹、カミーユ(1827-1840)が13歳で早世したことを機に、ますます強いものとなりました。

本展では、代表作《出現》や《エウロペの誘惑》を含む油彩画や水彩画などのほか、日本初公開となるポーリーヌに宛てた手紙など、約70点を紹介。生涯独身を貫き、アトリエにもめったに人を寄せ付けなかった謎多き画家、モローの素顔に迫ります。

ポーリーヌともう一人、モローにとってかけがえのない女性がいました。恋人、アレクサンドリーヌ・デュルー(1836-1890)です。二人は結婚をしませんでしたが、近くのアパルトマンに住み、30年近くもモローはデュルーに惜しみない愛情を注ぎました。



しかし、1884年に最愛の母が他界。1890年には病気のためアレクサンドリーヌも死去と、最愛の女性を次々と喪います。モローは「修復不可能な大惨事後のような落胆に打ちひしがれ」と、深い悲しみに襲われました。《パルクと死の天使》は、アレクサンドリーヌの死後に描かれたものです。

ポーリーヌやアレクサンドリーヌなど、穏やかで優しい女性を愛したモロー。しかし、描かれた作品は、男性を誘惑する女性たちでした。代表作《出現》に描かれたサロメは、モローが描いた数々のファム・ファタルの中でも、突出した存在でした。

展覧会には、最高神ゼウスの欲望の対象となった女性、エウロペやレダなど、男性からの誘惑により数奇な運命をたどった女性たちを題材とした作品も、展示されています。

モローが描いた、数々のファム・ファタル。その源泉は、モローが生涯をかけて愛した二人の女性、母ポーリーヌとアレクサンドリーヌ・デュルーの姿があるように思えます。

本展終了後、大阪と福岡に巡回します。会場と会期はこちらです。

[ 取材・撮影・文:静居絵里菜 / 2019年4月5日 ]

ギュスターヴ・モローの世界ギュスターヴ・モローの世界

新人物往来社(編集)

新人物往来社
¥ 2,376

 
会場
会期
2019年4月6日(土)~6月23日(日)
会期終了
開館時間
10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日
水曜日(ただし、5月1日、6月5日、12日、19日は開館)
住所
東京都港区東新橋1-5-1パナソニック東京汐留ビル4階
電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
03-5777-8600(ハローダイヤル)
公式サイト https://panasonic.co.jp/ls/museum/
料金
一般 1,000円 / 65歳以上 900円 / 大学生 700円 / 中・高校生 500円 / 小学生以下 無料

※20名以上の団体は100円割引
※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料
※5月18日(土)国際博物館の日はすべての方が入館無料で
展覧会詳細 ギュスターヴ・モロー 展 ー サロメと宿命の女たち ー 詳細情報
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