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レポート
明治のこころ モースが見た庶民のくらし
【2025年度中まで全館休館予定】東京都江戸東京博物館 | 東京都
130年前に絶賛された日本の人々
大森貝塚を発見した米国の動物学者、エドワード・S・モース。3度にわたって訪れたモースは日本を深く愛し、多くの品々を米国に持ち帰りました。里帰りしたコレクションから、130年前の日本の姿が見えてきます。
《E.S.モース肖像画》フランク・W・ベンソン
2-4「こども」
左は柱につける飾りの「柱隠し」。明治時代には普通にありましたが、今では目にしなくなりました
左から箱枕、籠枕、あんま器。モースは箱枕を気に入っていました
《押絵(茶摘図)》松田雪華
品物の形を模した商店の看板類。右から、ろうそく店、飾金具店、櫛屋、足袋屋、絹糸屋
農夫の夫婦と赤ん坊の「生き人形」
甲冑武士の「生き人形」は、本展準備中に発見されました
研究対象の「シャミセンガイ」を含む腕足類が日本に豊富に生息することを知り、1877(明治10)年に初来日したモース。来日してすぐ乗った汽車の窓から大森貝塚を発見し、内外から高い評価を得ました。


会場入口から

モースは好奇心が旺盛で、講義や研究の合間に各地をまわりました。その中で目にした庶民の素朴な暮らしに、次第に心を奪われていきます。

3度の来日で北海道から鹿児島まで訪れ、数多くの品々を収集。本国に持ち帰り、自身が館長を務めたピーボディー科学アカデミー(現ピーボディー・エセックス博物館)と、ボストン美術館に収蔵されました。


第2章「日本と日本人」

その品々は第2章「日本と日本人」で展示。「すまい」「こども」など、種類別に紹介されています。

「よそおう」には髪飾り、化粧道具、団扇や扇子など。モースが来日したのは文明開化の時期ですが、庶民は依然として江戸時代末期と変わらない装いでした。

「たべる」は海苔やいなごの佃煮など、明治時代の食品がそのまま残されている驚くべきコレクション。缶入りの海苔は茶色に変色しているものの、海苔の形がきちんと残っています。


明治時代の海苔にはビックリ

展覧会の目玉のひとつが「生き人形」。まるで生きているかのような人形は、幕末から明治にかけての見世物興行で大流行しました。モースも見世物が大好きで計8体の「生き人形」を収集、うち3体が来日しています。

モースが見ていた当時の「生き人形」の見世物は、物語風の演出に音楽も流れる賑やかなものでしたが、本展では静寂の中での展示。肌の色、皮膚の張りや皺、そして表情も含め、あまりにもリアルで恐ろしく感じるほどです


「生き人形」

展示された品々と同じぐらい心に残るのは、モースが残した言葉です。

「この地球の表面に棲息する文明人で、日本人ほど、自然のあらゆる形況を愛する国民はいない」
「日本ほど子供が親切に取り扱われ、そして子供の為に深い注意が払われる国はない」
「私は今までにこんなに人が働くのを見たことがない」

130年前、国力では大きな差があったにも関わらず、絶賛された日本の人々。経済面では追いつきましたが、今でも私たちはこの賞賛を受けることができるでしょうか。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2013年9月13日 ]

明治のこころ-モースが見た庶民のくらし

コロナ・ブックス編集部 (編集)

青幻舎
¥ 2,190

料金一般当日:1,300円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon

 
会場
会期
2013年9月14日(土)~12月8日(日)
会期終了
開館時間
9:30~17:30
※入館は閉館の30分前まで。
休館日
月曜日休館 ただし9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)、10月14日(月・祝)、11月4日(月・祝)は開館。10月15日(火)、11月5日(火)は休館
住所
東京都墨田区横網1-4-1
電話 03-3626-9974(代表)
03-3626-9974(代表)
公式サイト http://www.asahi.com/event/morse2013/
料金
一般 1,300(1,040)円/大学生・専門学校生 1,040(830)円/小中高校生・65歳以上 650(520)円
※()内は20名以上の団体料金
※未就学児童、身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添の方(2名まで)は無料
展覧会詳細 明治のこころ モースが見た庶民のくらし 詳細情報
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