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    レポート
    歴史にみる震災
    国立歴史民俗博物館 | 千葉県
    私たちは、また忘れるのか
    東日本大震災から3年。日本では過去にも数々の巨大地震が発生し、多くの悲劇が生まれてきました。人々は震災にあった時、その状況にどう向き合っていったのか。歴史上の震災を展観する企画展が、国立歴史民俗博物館で開催中です。
    小国政画「明治丙甲三陸大海嘯之実況」(国立歴史民俗博物館蔵)
    第1会場入口
    津波の堆積物が残る「地層剥ぎ取り標本」(産業技術総合研究所蔵(左)、仙台市教育委員会蔵(右))
    第1会場
    「岩手県大槌町吉里吉里地区における昭和三陸津波の被害と復興」(総合地球環境学研究所製作)
    (右手前から)浦野銀次郎画「本所石原方面大旋風之真景(帝都大震災画報)」(国立歴史民俗博物館蔵) / 田畑勇吉・栗井三蔵合作「帝都震災記念大観」(国立歴史民俗博物館蔵)
    (左から)「震災哀歌 吉原の巻」(国立歴史民俗博物館蔵) / 「大正大震災の歌」(国立歴史民俗博物館蔵)
    (左から)徳永柳洲「本郷元町より見たるお茶の水附近」(横網町公園復興記念館蔵) / 徳永柳洲「宮城前避難バラック」(横網町公園復興記念館蔵)
    北丹後地震(1927年)の惨状を報じる絵葉書が並ぶ(京丹後市教育委員会蔵)
    展覧会は2部構成。企画展示室の2会場を使用し、それぞれで「東北の地震・津波」「近代の震災」と進んでいきます。

    第1会場入り口は、東日本大震災の津波波及シミュレーション映像から。津波は太平洋に広がり、7時間後にはハワイ、11時間後に米国西海岸、23時間後にはチリに到達しました。

    続いて、過去に東北で発生した震災が紹介されます。古代から現代まで、東北地方は繰り返し地震や津波の被害を受けてきました。


    会場の入り口から

    東日本大震災のスペースは、あまり大きくありません。今でも避難生活をしている方がいる事を含め、「歴史にみる震災」という枠組みの中で、まとまった形で提示できる段階ではないと考えているためです。

    被災資料のレスキュー活動のパネルとともに展示されているのは、司馬江漢が描いた衝立。石巻でのレスキュー活動で発見され、洗浄・保存処理の後に仙台市博物館に寄贈されました。


    東日本大震災の紹介

    第2会場は、第2章「近代の震災」。多くの資料が展示されているのが、1923年(大正12)年の関東大震災です。

    関東大震災の被害としては、多くの人が犠牲になった被服廠跡(ひふくしょうあと)などが有名ですが、実は横浜や千葉でも大きな被害がでています。会場では、やや離れた場所の被災についても紹介しており、「被災地」という概念についても問いかけます。

    展示物の中には、なぜか歌本の表紙があります。実は関東大震災の後にはさまざまな歌が作られており、歌本やレコードとして各地に伝えられました。

    現在の感覚からすると違和感がありますが、当時はテレビもラジオも無かった時代。歌による情報伝達は有効な手段だったのです。同様に、絵葉書も数多く作られています。


    関東大震災の紹介

    続いて、関東大震災以降の大地震が取り上げられています。1925(大正14)年の北但馬地震は428名、1927(昭和2)年の北丹後地震は2,925名が亡くなる大震災でした。

    時代的な背景もあり、記憶に残りにくい大地震もあります。東南海地震は1944(昭和19)年、三河地震は1945(昭和20)年と戦時下だったため、厳しい情報統制の中で国民の戦意に悪影響を及ぼすような報道はできませんでした。

    逆に福井地震は占領下の1948(昭和23)年に発生。GHQの下で救援活動が行われましたが、治安維持を目的に公安条例が制定されるなど、共産主義に繋がると危惧された動きが規制を受けています。


    会場後半

    取材前は、いわゆる「有名な大地震」の被害を振り返る展覧会かと思っていましたが、「忘れられている大地震」にもスポットを当てた企画展です。

    残念ながら、時間の流れとともに風化していく震災の記憶。今でも阪神・淡路大震災の発生日を正確に言える方は、どのくらいいるでしょうか。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年3月10日 ]

    証言記録 東日本大震災

    NHK東日本大震災プロジェクト (著)

    NHK出版
    ¥ 3,990


    ※阪神・淡路大震災の発生は、1995年(平成7年)1月17日です。
     
    会場
    会期
    2014年3月11日(日)~5月6日(火)
    会期終了
    開館時間
    9:30~17:00(入館は16:30まで) (3~9月)
    9:30~16:30(入館は16:00まで) (10~2月)
    休館日
    月曜日休館 ただし4月28日、5月5日は開館
    住所
    千葉県佐倉市城内町117番地
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://www.rekihaku.ac.jp/
    料金
    一般 830(560)円/高校生・大学生 450(250)円/小・中学生 無料
    ※()内は20名以上の団体 
    ※総合展示もあわせてご覧になれます。 
    ※毎週土曜日は高校生は入館無料です。
    展覧会詳細 歴史にみる震災 詳細情報
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