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    レポート
    明治の皇后
    明治神宮ミュージアム | 東京都
    新時代を歩んだ“国母陛下”
    明治天皇の皇后、昭憲皇太后が1914(大正3)年に崩御されてから、今年でちょうど100年。昭憲皇太后百年祭記念の一環として、ゆかりの品々を紹介する展覧会が開催中です。
    見事な刺繍の大礼服
    第一章「ご生涯 ─ 明治天皇と歩まれて ─」 肖像画は明治天皇が松岡英久、昭憲皇太后は矢澤弦月が描いたもの
    第一章「ご生涯 ─ 明治天皇と歩まれて ─」
    第一章「ご生涯 ─ 明治天皇と歩まれて ─」 右側は、明治天皇のお好みにより調製されたと伝えられます
    荒井寛方《富岡製糸場行啓》 聖徳記念絵画館蔵
    第二章「御心を注がれる」
    第二章「御心を注がれる」 右は跡見泰《華族女学校行啓》
    肖像画は、ともに写真を元にジュゼッペ・ウゴリーニが描いたもの
    左は渡辺長男《明治天皇御尊像》
    明治天皇とともに、明治神宮の御祭神である昭憲皇太后。幕藩体制から近代国家に生まれ変わる激動の時代の中で、昭憲皇太后は女子教育や社会福祉にも尽力し、国母陛下として慕われていました。

    会場の明治神宮文化館 宝物展示室では、肖像画や写真、ゆかりの品々などを紹介。その歩みを振り返ります。


    会場

    会場では、三点の豪華な大礼服が目を惹きます。近代国家建設のために明治政府は洋装を奨励しており、昭憲皇太后も率先して洋服を直用しました。

    大礼服(マントー・ド・クール)は最も格式が高い宮中の礼服で、長いマント―(引き裾)が特徴。見事な刺繍には、日本の伝統的な文様も取り入れられています。

    製作にあたり、昭憲皇太后は国産の生地を使うことを奨励しました。展示されている三点も、最も古い一番手前の大礼服は外国製の生地でしたが、時代が下った後の二点は国内産の生地にかわっています。


    豪華な大礼服

    近世以前の皇后は公的な場にあまり出ませんでしたが、昭憲皇太后は様々なかたちで社会と関わりを持っていました。初の官営製糸工場である富岡製糸場にも行啓しており、会場には荒井寛方が描いた《富岡製糸場行啓》も展示されています。

    昭憲皇太后の大きな業績のひとつが、昭憲皇太后基金です。赤十字の平時活動の奨励基金として、1912(明治45)年に昭憲皇太后が国際赤十字に贈った10万円(現在の3億5000万円相当)を元に創設。これまでに150カ国以上で活動に充てられています。


    第二章「御心を注がれる」

    会場後半にある昭憲皇太后の肖像画には、興味深いエピソードも伝わります。

    肖像画は、濃紺色の小袿(こうちき:高位の女性が着る上着)を着た昭憲皇太后。写真を見て描かれた作品ですが、展示されている鮮やかな赤の小袿が、写真と全く同じ柄です。同じ小袿という確証こそないものの、ジュゼッペ・ウゴリーニ(ミラノの画家)が見た写真はモノクロだったため、色を間違えていたのかもしれません。


    昭憲皇太后のモノクロ写真を参考にしてジュゼッペ・ウゴリーニは肖像画を描きましたが、小袿(こうちき)の色は異なっていたのかも

    新しい時代に生きる皇后として、国民とともに歩んだ昭憲皇太后。明治期の駐日英国公使夫人のメアリー・フレイザーは、昭憲皇太后についてこう記しています。
    わがままを通し、贅沢を尽くせるお立場にありながら、恵まれない人々の嘆きに常に耳を傾け、彼等を助けるため、いつも自らを犠牲にされる皇后は、ほとんど聖者に等しい。
    なお、出展作品は会期途中で一部展示替えされます。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年4月4日 ]

    御歌とみあとでたどる 明治天皇の皇后 昭憲皇太后のご生涯

    打越 孝明 (著), 明治神宮 (監修), 竹崎 恵子 (写真)

    KADOKAWA/中経出版
    ¥ 2,052

     
    会場
    会期
    2014年3月29日(土)~5月28日(水)
    会期終了
    開館時間
    10:00~16:30
    ※最終入館は閉館時間の30分前まで
    休館日
    4/17、18
    住所
    東京都渋谷区代々木神園町1-1
    電話 03-3379-5875
    公式サイト http://www.meijijingu.or.jp/
    料金
    施設維持協力金=500円
    展覧会詳細 明治の皇后 詳細情報

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