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レポート
発掘された日本列島2015
【2025年度中まで全館休館予定】東京都江戸東京博物館 | 東京都
1400年前の「水玉の女王」
日本中で行われている発掘調査から、全国的に注目された成果を紹介する恒例の企画展。21回目の今回は、旧石器時代から近代までの19遺跡を紹介します。
栃木県下野市「甲塚古墳」
栃木県下野市「甲塚古墳」 全国でも初めて見つかった2つの機織形埴輪
岩手県滝沢市「けや木の平団地遺跡」
大阪府茨木市「東奈良遺跡」
静岡県浜松市「松東遺跡」
茨城県石岡市「瓦塚窯跡」
茨城県牛久市「シャトーカミヤ旧醸造場施設」
特集1「復興のための文化力―東日本大震災の復興と埋蔵文化財の保護―」
特集2「全国史跡整備市町村協議会50周年記念」
1995(平成7)年度からはじまった発掘された日本列島展。全国各地で行われている発掘調査の意図と埋蔵文化財保護への理解を目的に文化庁が開催しているものですが、注目の成果を一カ所でまとめて見る事ができるのは、考古ファンにとっても有り難いかぎり。第一回からの累計観覧者数も、200万人を突破しています。

21回目の今回からは協力体制が変わりましたが、基本的には従来どおりの構成。良く見ると今回から、それぞれの調査結果に川柳がつきました。


川柳は「大貝塚 縄文人骨 ザックザク」(富山市の小竹貝塚)などです

今年のメインビジュアルに採用されたのが、栃木県下野市の「甲塚古墳」。古墳時代後期の遺跡から、円形に配置された埴輪群が見つかりました。

復元できたのは24個体。うち2個体は、女性が布を織っているいる様子を表したもので、全国で初めて出土した機織形埴輪として極めて重要です。

出土した破片にはわずかに顔料が残っており、彩色を復元したところ、機織りの女性は白い服に赤の水玉。まるで草間彌生さんのようです。


栃木県下野市「甲塚古墳」

珍しい文様が付いた縄文時代の土器は、岩手県滝沢市「けや木の平団地遺跡」から見つかったもの。高さ45センチの深い鉢のような土器で、上部中央に女性とみられる人の形が貼り付けられていました。

見つかったのは、祭祀が行われていた場所。生命誕生のシンボルである女性をあしらった土器は、祭祀用の特別な器として使われていたのかもしれません。


岩手県滝沢市「けや木の平団地遺跡」

京都市の「大雲院跡」からは、豊臣秀次を弔う供養塔が発見されました。遠目には単なる四角い石のように見えますが、よく見ると「文禄四年/禅昌院殿龍叟道意大居士/七月十五日」と刻まれている方が、豊臣秀吉に切腹させにれた悲運の関白、秀次の供養塔。同じ穴から出土した「逆修/文禄五年/寶林院殿花岳了英大姉/十月十五日」は、秀次の母、または秀次の最初の正室を供養したものと思われます。

その隣は、茨城県牛久市の「シャトーカミヤ旧醸造場施設」。明治時代の旧ワイン醸造場から、全国から集められた煉瓦のほか、1881(明治14)年に発売された未開封ワインも発見。130年間眠っていたワインの味が非常に気になりますが、味は確認していないそうです。


京都市「大雲院跡」と、茨城県牛久市「シャトーカミヤ旧醸造場施設」

会場後半には、昨年度ピークを迎えた東日本大震災の復興事業に伴う発掘調査7遺跡も紹介。また今回は、全国史跡整備市町村議会の発足50周年を記念したコーナーも設けられています。

東京展は7/20まで。続いて富山県埋蔵文化財センター(8/1~9/6)、栃木県立博物館(9/19~11/1)、岡山県立博物館(11/13~12/23)、岩手県立博物館(2016年 1/14~2/28)に巡回します。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2015年6月2日 ]


 
会場
会期
2015年5月30日(土)~2015年7月20日(月・祝)
会期終了
開館時間
9:30~17:30
※入館は閉館の30分前まで。
休館日
月曜日休館 ただし7月20日は開館
住所
東京都墨田区横網1-4-1
電話 03-3626-9974(代表)
03-3626-9974(代表)
公式サイト http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/
料金
常設展観覧料でご覧になれます。
一般 600円(480円)/大学生・専門学校生 480円(380円)/中学生(都外)・高校生・65歳以上 300円(240円)/中学生(都内在学または在住)・小学生・未就学児童 無料
*( )内は20人以上の団体料金。いずれも消費税込み。
展覧会詳細 発掘された日本列島2015 詳細情報
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