学芸員が選ぶ おすすめミュージアム

    第7回 田村桂子(鹿児島市立美術館 学芸員)

    田村桂子(鹿児島市立美術館 学芸員)

    鹿児島市立美術館の田村桂子です。当館は、1954年に開館した全国的にも歴史の古い公立美術館です。鹿児島は近代洋画の巨匠を輩出した「洋画王国」と言われることもあり、1924年の黒田清輝死去の際すでに記念館設立の動きがあったようです。

    それから30年後に開館した美術館は、一角に黒田記念室を設けながら、前身となった歴史館の資料も引き継ぐユニークな施設として愛されました。現在の館に建て替えられたのは1985年、収集方針に印象派以降の西洋美術が加わり、より美術に特化した施設として生まれ変わりました。

    松村さんにご紹介いただいたように、当館では季節の所蔵品展と小企画展において、年間を通じて展示替えを行いながらコレクションを展覧しています。本年度は特に、橋口五葉の没後100年を記念して、所蔵品展の特集コーナーにて全5回のリレー展示をしていますので、ぜひお楽しみいただきたいです。



    2021年12月19日まで展示中の橋口五葉の作品




    私のおすすめミュージアム

    SOMPO美術館

    おすすめしたい美術館はSOMPO美術館です。洋画家・東郷青児のご遺族から寄贈を受けた絵画、彫刻などを多数ご所蔵です。

    2013年に私が「東郷青児展」を担当した際、貴重なコレクションを拝借し大変お世話になりました。作品のみならず東郷による装丁や商品パッケージ等の資料も大切に保管され、作家の業績を振り返るうえで大変面白かったことが今も忘れられません。

    昨年、損保ジャパン本社ビル敷地内の新館へ移転後に開催された「東郷青児 蔵出しコレクション~異国の旅と記憶~」は、ふんだんな資料も公開した東郷の生き様に迫るもので、美術館の顔となる作家の地道な調査・研究に大いに刺激されました。

    ところで美術館の顔といえば、ゴッホの《ひまわり》が常設されていることも魅力です。アルル時代に7点描かれたとされるひまわりですが、アジアで観られるのは同館だけ。出張の折に立ち寄っては、印刷では味わえない鮮やかな筆触に見入っています。


    SOMPO美術館 外観
    SOMPO美術館 外観

    SOMPO美術館 エントランス
    SOMPO美術館 エントランス

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