かっぱの世界－－清水崑漫画展

　「崑かっぱ」で一斉を風靡した清水崑は、1912年（大正1）長崎県で生まれました。絵が上手だった清水少年は、画家をこころざし19歳で東京にやってきました。上京後に似顔絵描きをしていましたが、知人の勧めで岡本一平の主催する新漫画派集団に参加し、欧米のマンガの影響を受けた仲間たちと出会い、切磋琢磨しながら戦前は似顔絵や諷刺漫画に腕をふるいました。 　戦後、『週刊朝日』に連載した「かっぱ天国」ほか、かっぱを主人公にした漫画は、ほのぼのとしたユーモアとペーソスで人気を博し、日本酒のコマーシャルをはじめ多くの場面に出没しました。そして東京都にも、「大東京祭記念バッヂ」として昭和30年代から40年代にかけ、都民の日にはかわいらしいポーズで人々の胸元や帽子を飾り、動物園や植物園に現れました。 　この度、当館ではご子息の清水梢太郎氏より原画などの関連資料を寄贈していただくことになりました。そこでお披露目としてゆかりのある10月1日（都民の日）をはさんで展覧会を開催し、清水崑が描いたさまざまなかっぱ、似顔絵や諷刺画、絵本の原画などをご紹介します。