大森克己写真展　すべては初めて起こる

2011年の春、大森は、自らの住まいや仕事場付近から福島へと旅に出て、桜をフィルムに収めました。ランダムに入る淡いピンクの光は、その桜が、もっというなら世界が、初めて体験することの集積であるということを静かに告げています。 “初めて”のことたちが連なって、わたしたちの歴史をつくっていく。桜を美しいと思う未来のために、たった今の美しさと、それが置かれる長い時間を真剣に見つめるときなのではないでしょうか。 大森克己による4年ぶりの東京での展覧会『すべては初めて起こる』は、当然のようでいて忘れているそのことを、改めて噛みしめる機会となるはずです。