生誕100年　高田誠　―コレクションを中心に―

高田誠は、1913（大正2）年、浦和（現・さいたま市）で生まれました。小さい頃から絵が好きで、1929(大正4)年、旧制浦和中学に在学していた16歳の時に二科展に初出品し、初入選を果たしました。翌年より安井曽太郎に師事し大きな影響を受けますが、その後、安井の影響から脱して点描による独自の画風を確立します｡主に風景をモチーフとして対象を見つめる堅実な眼差しの中に、点描による装飾性と詩情が融合する多くの作品を制作しました｡1942（昭和17）年の「松原湖辺」で第５回文展特選を受賞したのをはじめ、1968(昭和43)年の第11回日展にて文部大臣賞を受賞。1972(昭和47)年には日本芸術院賞を受賞し、翌年には日本芸術院会員に選ばれました。1986(昭和61)年、 文化功労者、埼玉県民栄誉賞を受賞。1992（平成4）年、浦和（現・さいたま市）で没しました。地域ゆかり作家の中でも中核をなす画家の一人であり、埼玉の美術文化に大きく貢献した画家と言えるでしょう。本年が高田誠生誕100年に当たることを記念して、当館のコレクションを中心とした特集展示を前期、後期に分けて開催致します。