2014年12月4日(木)、レオナルド・ダ・ヴィンチが手掛けた革新的戦闘図「アンギアーリの戦い」に関する作品・資料を紹介する企画展の記者発表会が、都内のイタリア大使公邸で開催された。
《アンギアーリの戦い》は、フィレンツェ・シニョリーア宮殿の大評議会広間(現ヴェッキオ宮殿・五百人広間)を飾るためダ・ヴィンチが取り組んだ大壁画だが、未完に終わった。後に別の壁画装飾で覆われたため、その全容は明らかになっていないが、イタリア・ルネサンス美術の中でも最も野心的な装飾計画のひとつとされている。
本展では、失われたレオナルドの壁画の中心部分である「軍旗争奪」の場面を記録した16世紀の油彩画《アンギアーリの戦い(ダヴォラ・ドーリア)》を、日本で初めて公開。本作はイタリア国外に流出した「イタリアの重要な文化遺産」として認定されていたが、1992年に東京富士美術館が購入。同美術館は2012年6月にイタリアと交流協定を結び、同作はウフィツィ美術館に寄贈されて祖国イタリアに戻った。
展覧会では、同じ広間に描かれるはずだったミケランジェロの《カッシナの戦い》を16世紀に模写した板絵も日本初公開。いずれも原作が失われた二代巨匠の壁画が、16世紀の板絵で競演する事となる。
学術監修は東京藝術大学副学長の越川倫明教授。7カ国、22の美術館から油彩、素描、版画など約60点が出展される予定となっている。展覧会の構成は以下。
プロローグ レオナルドの記憶
第1章 アンギアーリ前夜 ~ シニョリーア宮殿と「大評議会広間」
第2章 失われた傑作 ~ レオナルドの《アンギアーリの戦い》への手がかり
第3章 競演の舞台 ~ アンギアーリとカッシナ、ミケランジェロとの対決
第4章 視覚革命 ~ 《アンギアーリの戦い》によるバロック時代への遺産
エピローグ レオナルドを求めて ~ ここからはじまる、失われた傑作探究への第一歩
「レオナルド・ダ・ヴィンチと『アンギアーリの戦い』」展は、東京・八王子市の東京富士美術館で2015年5月26日(火)~8月9日(日)に開催。入館料は大人 1,300円、大高生 800円、中小生 400円。前売りはそれぞれ1,000円、700円、300円。
展覧会は2015年度と2017年度にシーズン1、2として全国巡回する予定。シーズン1は東京富士美術館の後に2015年8月22日(土)~11月23日(月)に京都文化博物館、2016年3月19日(土)~5月29日(日)に宮城県美術館で開催。シーズン2は北海道展が2017年6~8月、中国展が同9~10月、四国展が同11~12月、中部展が2018年1~3月、九州展が同4~5月の予定。
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