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はじめての古美術鑑賞 漆の装飾と技法

■驚きの極小文字も
【会期終了】 「西洋で‘Japan’は漆器そのものを意味する」と言われるように、日本の伝統工芸を代表する存在である、漆器。根津美術館で3回目となる「はじめての古美術鑑賞」は、漆がテーマです。
日本美術ビギナーでも分かりやすい解説で好評の「はじめての古美術鑑賞」シリーズ。一昨年は「絵画の技法と表現」、昨年は「紙の装飾」が開催されました。

今回のテーマは漆器で、10章構成。1章の縄文時代の漆器以外は、ほぼ館蔵品による構成で、重要文化財も5点出品されています。早速、技法をご紹介していきましょう。

蒔絵(まきえ)は、漆で描いた部分に金粉などを蒔いて固着させる手法。日本独自の技で、接着剤としての漆の性質を利用しています。蒔絵については、展示室2でも掘り下げていきます。

螺鈿(らでん)は、夜光貝や鮑貝の貝片を文様の形に切って装飾に利用したもの。唐から日本に伝わりました。日本では蒔絵との併用が多く、螺鈿単体の作例は少ないです。

塗り重ねた漆を彫って文様を作るのが彫漆(ちょうしつ)。朱漆を彫ると堆朱(ついしゅ)、黒漆を彫ると堆黒(ついこく)です。

鎗金(そうきん)は、漆の面に細い刻線を描き、金箔を押し込む技法。金でなく色漆を埋めるのは填漆(てんしつ)ですが、日本ではこれを存星(ぞんせい)と呼びます。

蒟醬(きんま)は漆の器面に文様を線彫りし、色漆を充填し、硬化した後に研ぎ出す技法。今でもタイやミャンマーで見られます。


展示室1

第2展示室は、蒔絵の展開について。奈良時代以降、日本で独自の展開を見せた蒔絵。金粉をつくる技術の進歩によって蒔絵の技法も変化し、表現の幅も拡大。その美と技は、江戸時代に頂点に達しました。

あえて1点ご紹介するなら、独立ケースで展示されている《百草蒔絵薬箪笥》でしょうか。内外ともに見事な研出蒔絵に彩られていますが、圧巻は蓋裏の百草図。それぞれの植物の横に、蒔絵で薬草の名前が記されています。

文字の大きさは1ミリほどで、とても肉眼では無理。例のハリウッド俳優が愛用するルーペ式メガネをかけたくなります。


展示室2

いつものように会期中にトークショーやスライドレクチャーなど関連プログラムも開催されますが、ちょっと珍しい試みが、7/1の「蒔絵のハープをたのしむ」。漆芸家で人間国宝の室瀬和美氏が蒔絵と螺鈿を施したハープを、世界的に活躍するハープ奏者の吉野直子氏が演奏します。事前申込制で、根津美術館ミュージアムショップにて参加券を販売中。音楽と美術によるハーモニーをお楽しみください。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2018年5月23日 ]

フランス人がときめいた日本の美術館フランス人がときめいた日本の美術館

ソフィー リチャード (著), 山本 やよい (翻訳)

集英社インターナショナル
¥ 2,376


■はじめての古美術鑑賞 に関するツイート


 
会場根津美術館
開催期間2018年5月24日(木)~7月8日(日)
所在地 東京都港区南青山6-5-1
TEL : 03-3400-2536
HP : http://www.nezu-muse.or.jp
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