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チェコの映画ポスター

■「羅生門」は、喰いしばった歯?
【会期終了】 1993年にスロヴァキアと分離したチェコ。それまでのチェコスロヴァキアは社会主義体制でしたが、1960年代には多くの優れた映画ポスターが作られていたことは、あまり知られていません。独創性あふれるチェコの映画ポスター82点を紹介する展覧会が、東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中です。
クリエイティブの分野では、絵本や人形劇、アニメーションなどで知られるチェコ。映画も1965年と1967年にチェコスロヴァキア作品がアカデミー賞(外国語映画部門)を受賞するなど、国際的にも高い評価を得ています。60年代のチェコは、創造的な活動が比較的自由になっていた時代。その風を受けるように、映画ポスターにも数々の名作が生まれました。

会場に展示されているポスターは、私たちがイメージする映画ポスターとはだいぶ印象が異なります。ポスターを手掛ける作家は、映画から受けた印象を自分なりに解釈して表現。宣伝ツールではなく、あたかも芸術作品のような趣です。


第1章「チェコスロヴァキア映画のポスター」

会場には日本映画のポスターも紹介されていますが、ここでも私たちが知っている作品の印象とは大きく異なります。

赤い背景に眼を大きくレイアウトしたポスターは、黒澤明「天国と地獄」。日の丸をイメージさせるデザインは、市川崑「東京オリンピック」。黒澤明「羅生門」は、なぜか喰いしばった歯のデザイン。隣の新藤兼人「鬼婆」は、チェコで最もヒットした日本映画です。


第2章「日本映画のポスター」

展覧会の後半は、世界各国の映画ポスター。アパレルか化粧品の広告のようなポスターは、ミラン・グリガル。モンタージュを巧みに用いた、カレル・タイスィク。個性的なタイポグラフィの使い手であるズデニェク・ツィーグレルなど、大胆なデザインが光ります。

自由な表現が認められていた時代も、1968年の「チェコ事件」により大きく後退します。「正常化」の名のもとに政治的な圧力は強くなりましたが、斬新な表現は強かに維持されました。ターミネーターやフラッシュダンスなど80年代の映画ポスターにもその流れが息づいています。


第3章「世界各国の映画のポスター」

フィルムセンターは空調工事のため10月30日まで大ホール・小ホールでの上映は休止していますが、展覧会だけでも見ごたえ十分。特にグラフィックデザインに興味がある方は必見です。

なお本展は、2014年3月21日(金・祝)~5月11日(日)、京都国立近代美術館に巡回します。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2013年8月29日 ]


 
会場東京国立近代美術館フィルムセンター
開催期間2013年8月28日(水)~12月1日(日)
所在地 東京都中央区京橋3-7-6
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://www.momat.go.jp/FC/fc.html
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