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ジョージ・ネルソン展 建築家・ライター・デザイナー・教育者

■常に一歩先、米デザイン界の巨星
【会期終了】 第二次世界大戦後、生活の向上に伴って優れた製品デザインが生まれたミッドセンチュリー(20世紀中盤)。この時代を代表するアメリカのデザイナーが、ジョージ・ネルソンです。ネルソンを大きく紹介する国内初の展覧会が、目黒区美術館で開催中です。
展覧会サブタイトルにあるように、多方面で活躍したジョージ・ネルソン。製品デザインのみならず建築・インテリア・グラフィック・展覧会とどんな仕事でも引き受け、ハーマンミラー社のデザインディレクターとしてはイームズ夫妻(チャールズ&レイ・イームズ)やアレキサンダー・ジラードらを見出す慧眼の持ち主でした。

会場は1階のエントランスホールから。階段を上がるとネルソンの代名詞ともいえる《マシュマロ・ソファ》が登場します。ネルソン事務所のアービング・ハーパーがデザインし、円盤状クッションを大量生産してソファに用いるアイディア。現在では非常に高く評価されていますが、発売当時はコスト・販売数ともに期待外れでした。

続く展示室には、初期の製品やプロトタイプを含む家具がずらりと並びます。


会場

展覧会の企画に30件以上も関わったネルソン。中でも冷戦下の1959年にモスクワで開催された「アメリカ博覧会」は重要な仕事です。ネルソンは巨大なフレーム構造の「ジャングルジム」を開発し、家具や玩具などアメリカの工業製品を紹介。フルシチョフとニクソンがそれぞれの国の生活水準について「キッチン論争」を繰り広げました。

会場では当時の写真や図面類とともに、原寸大フレームと1/6モデルが展示されています。


モスクワのアメリカ博覧会で用いられた《ジャングルジム》

1847年から35年以上にわたって、ハワードミラー社の製品を手掛けたネルソン。ネルソンと彼の事務所は、130種以上の時計をデザインしました。

腕時計が普及してきた当時、壁掛け時計は時刻を知るツールとしてよりも、インテリアとしての要素が求められていました。ネルソンの時計は遊び心のあるデザインが特徴的。ただ、その中でも、同じムーブメントを用いて生産コストに配慮しています。


「時計」のコーナー

ネルソンはオフィス家具も手掛けました。1950年代に発表した《エグゼクティブオフィスグループ》では長方形のテーブルと収納家具をL字型に組み合わせたレイアウト。現在では良く見られますが、当時は極めて斬新な発想でした。

1960年代の《アクションオフィス1》では、高さが異なるデスク(立ったり座ったりする事で集中力を維持する)、閉じる事ができるロールトップデスク(やりかけの仕事をそのままの状態で帰宅し、翌日すぐに再開できる)などを提案。アルコア工業デザイン賞を受賞するなど評価されましたが、商業的な面では少し時代が早すぎたようです。


「オフィス家具」のコーナー

ネルソンは建物の工業化に関心を持っており、《エクスペリメンタルハウス》もその過程から発想されました。

アルミフレームと壁板からなる立方体のモジュールを組み合わせて、住む人のニーズに応じたサイズの住宅を提供するもの。多くのメディアで模型が紹介されるなど注目を集めましたが、残念ながら実現には至りませんでした。


《エクスペリメンタルハウス》

デザインを文化・社会・経済など大きな枠組みの中で捉えていたジョージ・ネルソン。物事を俯瞰して見る事ができる名プロデューサーとしての眼力と、常に一歩先を見据えていた先進的な発想は、現在でも眩しく感じられます。

本展はドイツのヴィトラ・デザイン・ミュージアムの企画による国際巡回展。アジア巡回としてオーストラリア、香港に続いての開催で、日本では目黒区美術館のみの開催です。お見逃しなく。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年8月8日 ]



■ジョージ・ネルソン展 に関するツイート


 
会場目黒区美術館
開催期間2014年7月15日(火)~9月18日(木)
所在地 東京都目黒区目黒2-4-36
TEL : 03-3714-1201
HP : http://mmat.jp/exhibition/archives/ex140712
展覧会詳細へ ジョージ・ネルソン展 建築家・ライター・デザイナー・教育者 詳細情報
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