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    レポート
    藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた!
    東京藝術大学大学美術館 | 東京都
    あの人気画家の自画像も
    前身である東京美術学校の設立(1887年)から、ちょうど130年目を迎えた東京藝術大学。数々の優れた美術家を世に送り出すだけでなく、長い歴史の中で29,000件以上の芸術作品・資料を収集してきました。良く知られた名品から学生の卒業制作まで、幅広いコレクションの一端を紹介する展覧会が、東京藝術大学大学美術館で開催中です。
    (左手前から)松井冬子《自画像》平成14年 / 岡村桂三郎《自画像》昭和58年 [展示終了]
    (左奥から)前田青邨《白頭》昭和36年 [展示終了] / 小倉遊亀《径》昭和41年
    重要文化財《小野雪見御幸絵巻》鎌倉時代 [展示終了]
    (左から)黒田清輝《婦人像(厨房)》明治25年 / 重要文化財 浅井忠《収穫》明治23年 [展示終了]
    (左奥から)横山大観《村童観猿翁》明治26年 [展示終了] / 日下八光《村家/武蔵野三題の内1幅》大正13年 [展示終了] / (右手前)高橋由一《鮭》明治10年頃
    (左から)千住博《自画像》昭和57年 / 鳥山玲《自画像》昭和55年
    (左から)山口晃《自画像》平成6年 / 福田美蘭《自画像》昭和60年
    (右手前)重要文化財 ヴィンチェンツォ・ラグーザ《日本婦人》明治13年 [展示終了]
    (左から)小磯良平《彼の休息》昭和2年 / 原撫松《裸婦》明治39年
    学生・教員の作品収蔵や、篤志家からの寄贈もあり、今なお成長を続ける藝大コレクション。もちろん喜ばしい事ですが、一方で全体像が把握しにくくなっているともいえます。

    本展は130年という節目を機に、改めて藝大コレクションの意義を再考する企画。しばらく展示されていなかった作品が出る事もあり、まさに「パンドラの箱」を開けたような展覧会となりました。

    まずは「名品編」と題して、古美術や日本画・洋画の名品を紹介。初期の東京美術学校では生徒の制作の参考として古美術品を購入しており、後に指定文化財になったものも少なくありません。戦前期までは同時代の作品を積極的に収蔵。明治期の美術作品は質・量ともに国内有数のコレクションとなっています。

    奥では「平櫛田中コレクション」を展示。彫刻家の平櫛田中は自身の作品と収集した彫刻を藝大に寄贈しており、これらは定期的に公開されています。


    会場(地下2階)

    上階には、藝大コレクションの中核をなす卒業制作の数々が展示されています。第1回の卒業生は横山大観や下村観山ら(最初は洋画はありません)。美術史に残る大家が若かりし頃に描いた意欲作をまとめてみる事ができるのは、藝大コレクションならではの特徴です。

    「現代作家の若き日の自画像」も、見せ場のひとつ。藝大コレクションには学生の自画像が6,000点以上ありますが、他館で開催される展覧会も含めて展覧会に出品されるのは青木繁や藤田嗣治などごく一部。今回は1950年代から1980年代に生まれた作家の自画像が紹介されています。千住博、福田美蘭、村上隆、山口晃、松井冬子ら、現在活躍中の作家がずらり。川俣正、会田誠らは、いわゆる「自画像」とはやや異なった表現です。

    さらに、似た作品を並べた展示や、普段はあまり出ない石膏原型の展示、近年修復された作品も紹介。会場後半には藤田嗣治資料もあります。


    会場(3階)

    コレクションが膨大という事もあり、展覧会は2期に分けて開催。8月11日(金)から第2期に入ります。多くの作品が展示替えされていますので、ご注意ください。

    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2017年7月12日 ]



    ■藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた! に関するツイート


     
    会場
    会期
    第1期 2017年7月11日(火)~8月6日(日)、第2期 8月11日(金)~9月10日(日)
    会期終了
    開館時間
    10:00~17:00(入館は午後16:30まで)
    休館日
    毎月曜日
    ただし月曜日が祝日・振替休日の場合は開館、翌火曜日休館
    入学試験期間、年末年始、展示替・保守点検のための臨時休館
    住所
    東京都台東区上野公園12-8
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2017/collection17/
    料金
    一般 800円、高校・大学生 500円

    2回チケット(数量限定)1,300円
    展覧会詳細 藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた! 詳細情報
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