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横山華山

■知っていたら、鼻が高い
江戸時代後期の京都で活躍した絵師・横山華山。画壇の潮流に左右されない自由な画風と、緻密な描写で人気を博しました。しかし、幅広い画域は美術史の中では分類しづらく、今や知る人ぞ知る絵師。忘れ去られた絵師・華山を紹介する初の回顧展が、東京ステーションギャラリーで開催中です。
東京ステーションギャラリーを皮切りに、横山華山の初の大回顧展が巡回します。ボストン美術館などに渡った作品も里帰りし、総展示数は約100点に及びます。(前期後期で展示替え有)

展覧会では、画題によって画風を変えた華山の作品を、6章に分けて展示。ここでは、特に見てほしい「華山の世界」をピックアップしてご紹介します。

1章「蕭白を学ぶ」では、華山が影響を受けた絵師・曾我蕭白の作品とともに、出発点となった作品が展示されます。

華山が模写した《蝦蟇仙人図》は、蕭白の不自然さを修正し、仙人と蛙を自然な姿態で描き表しています。ただ模写をするだけではなく、憧れの蕭白を超えようとする強い意志が見て取れる作品です。

4章「山水」では、華山の名を一躍世に知らしめた作品《花洛一覧図》を展示。華山の緻密な筆遣いが堪能できます。当時の知識人である斎藤月岑が、江戸の絵師たちにも大きな影響を与えたと伝えたと『武江年表』に記しています。



そして華山と言えば、風俗画。花見などの伝統的な画題に華山独自の視点を加えて表現。身近な場所や文化・行事を詳細に描いた作品は、人々の共感を得ました。

中でも祭礼図は逸品。6章に展示されている《祇園祭礼図》は、江戸時代後期の祇園祭の全貌を、上下巻約30メートルにわたって克明に描写。華山の集大成ともいえる絵巻物です。

山鉾が詳細に描かれた《祇園祭礼図》。山鉾「鷹山」は、1826(文政9)から200年近く‘休み山’になっていますが、この画巻を参考にして復興を目指す動きが出るなど、歴史資料としても注目されています。

華山の弟子・小澤華嶽の《ちょうちょう踊図屏風》の展示は、東京展のみ。こちらは、1839(天保10)年の春の京都に住む人々が、前触れもなく思い思いに仮装をし、昼夜問わず踊り狂う様子を描いた作品です。

紋付き袴のお役人が、茫然と立ち尽くしている様子もユニークです。残念ながら、華山はこの踊りを見ることなく亡くなりましたが、もし生きていたら格好の画題となっていたことでしょう。

見れば見るほど、惹き込まれる華山の世界。間違いなく、今年注目の絵師です。この機会をぜひ、見逃さないでください。

[ 取材・撮影・文:静居絵里菜 / 2018年9月21日 ]

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ソフィー リチャード(著),山本 やよい(翻訳)

集英社インターナショナル
¥ 2,376

 
会場東京ステーションギャラリー
開催期間2018年9月22日(土)~11月11日(日)
所在地 東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東京駅 丸の内北口 改札前
TEL : 03-3212-2485
HP : http://www.ejrcf.or.jp/gallery/
展覧会詳細へ 横山華山 詳細情報
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