報道写真展は、東京写真記者協会加盟社(新聞、通信、放送34社)の写真記者が昨年1年間に撮影した報道写真の中から、優れたものを紹介する企画展です。
日本新聞博物館 での開催は、今年で7回目となります。
今年は会場の約4割を震災関連の報道写真が占めています。東京写真記者協会賞に選ばれた、震災の津波で母親が行方不明となっている少女と正面から向き合った「ままへ」(読売新聞東京本社・立石紀和記者)をはじめ、一連の報道で目にしたことがある写真が並びます。
道路を乗り越えて襲ってくる水の塊、奇跡的に建物の屋上から助けられる人、亡くなった祖母から贈られたトランペットを胸に抱き涙をこらえる女子高生…。月並みな表現ですが、改めて写真が持つ力を見せつけられる思いです。
会場震災以外の写真としては「一般ニュース」「企画」「スポーツ」「文化芸能」の各部門賞や、2011年を象徴する国内外の様々なジャンルの報道写真を月ごとに紹介するコーナーも。
サッカー女子ワールドカップで優勝したなでしこジャパンや、人気沸騰のAKB48などを見ると、少し緊張感が和らぎます。
場内では、多くの来館者が報道写真の1点1点をじっくり見ながら、2011年のさまざまなニュースを振り返っていました。
会期の途中、3月中旬からは一部を展示替えし、年明け以降の東日本大震災関連の写真を追加し、震災発生後の1年を報道写真で振り返っていただくことになるそうです。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2012年2月1日 ]