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江戸の街道をゆく~将軍と姫君の旅路~

■朱傘が目印です
【会期終了】 江戸時代、日本橋を起点に整備された五街道。人々が往来し、さまざまな物資が運ばれたのはもちろんですが、将軍や姫君は行列で権威を誇示し、その模様は庶民も楽しみにしていました。「江戸の街道」をテーマにした特別展が、東京都江戸東京博物館で開催中です。
関ヶ原の戦いで勝利し、覇権を握った徳川家康。江戸を中心に全国を支配するために、交通網を整備しました。

展覧会も、家康の肖像からスタート。プロローグでは、日本橋とその周辺が紹介されています。

第1章は「武家の通行~威信をかけた旅路~」。戦国時代なら武力=権威でしたが、江戸時代は天下泰平。将軍や大名は、行列でその権威を示そうとしました。

参勤交代は、徳川家光が武家諸法度を改定した際に制度化されました。大名行列は示威行為でもあり、大名同士も競い合うため、華美な道具が作られました。

徳川将軍家は日光社参へ。家康を祀る日光東照宮と、家光を祀る大猷院(たいゆういん)を目指して、数々の将軍が参詣しました。日光に最も多く行ったのは家光です。



第2章は「姫君の下向~華麗なる婚礼の旅路~」。家光以降、将軍家の正室は摂家と宮家から迎えることが慣例になりました。

姫君は、京都から中山道を通って江戸へ。距離は東海道の方が近いのですが、河川を越える時に荒天だと日程が読めなくなるので、計算しやすい中山道が好まれました。

本展注目の作品が、全長約24メートルの《楽宮下向絵巻》です。有栖川宮織仁親王の第八王女・楽宮(さざのみや)が、12代将軍・家慶に嫁ぐため、中山道を下向する模様を描いた大作です。

豪華な行列だけでなく、沿道の賑やかな人々も見もの。ただ、主役の楽宮は描かれず、朱傘と「御」の字だけで表されています。

《葵牡丹紋付油単》は、長持のカバー。下の方にある小さな若竹の葉は、篤姫の御印なので、篤姫婚礼の際に使われたと思われます。

ひときわ目をひく豪華な乗物は、《黒漆丸十紋散牡丹唐草蒔絵女乗物》。薩摩藩島津家の女乗物で、江戸東京博物館では初公開となります。

第3章は「幕末の将軍上洛~描かれた徳川家茂の旅路~」。ペリー来航の混乱もあって、文久3年(1863)に14代将軍の家茂は上洛。将軍の上洛は、実に229年ぶりの事でした。

将軍の上洛は大きな話題となり、その様子は数多くの錦絵に。ここでも将軍の場所は、朱傘が目印になります。

明治に入ると、街道の風景は大きく変化。新橋~横浜間の鉄道開業を皮切りに、交通手段も整備され、短時間での移動も可能になりました。

エピローグでは日本橋など3カ所の江戸時代・近代・現代の姿が紹介されています。

江戸時代の街道と現在の主要道路は位置が異なるものも少なくありませんが、多くが「旧街道」として現存しています。さらに、その名称はすっかり定着しています。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年4月26日 ]

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ソフィー・リチャード(著),山本 やよい(翻訳)

集英社インターナショナル
¥ 2,376

 
会場東京都江戸東京博物館
開催期間2019年4月27日(土)~6月16日(日)
所在地 東京都墨田区横網1-4-1
TEL : 03-3626-9974(代表)
HP : https://www.edo-tokyo-museum.or.jp
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