インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  ポール・デルヴォー 夢をめぐる旅

ポール・デルヴォー 夢をめぐる旅

■裸婦とトラムが、夢にデル
【会期終了】 「夢に、デルヴォー」という潔いキャッチコピーが掲げられた府中市美術館。ベルギーのシュルレアリスム絵画を代表するポール・デルヴォー(1897-1994)の、日本ではおよそ10年ぶりとなる回顧展です。
古代の神殿、電車、同じ顔をした裸婦、ランプ…。ポール・デルヴォーはひと目でそれとわかる幻想的な作風で知られています。同じベルギーのシュルレアリストとして、1歳違いのルネ・マグリット(1898-1967)と比較されることも多いデルヴォーですが、理詰めで絵を構成したマグリットに比べ、デルヴォーの絵は個人的な経験がベースになっています。

本展では今まであまり注目されていなかった初期の作品から、ベルギー国外に出ることがなかった最晩年の作品までを網羅していきます。


第4章「ポール・デルヴォーの世界」から‘欲望の象徴としての女性’

弁護士の家に生まれたお坊ちゃんだったデルヴォー。初期の作品には、後の印象からはほど遠い、印象派そのものの風景画もあります。ただ、後に通じる要素もあり、後年の絵に良く登場する汽車は、すでにこの時期にも描かれています。

近代絵画でしばしば描かれる汽車。「文明の象徴」「遠い場所への思い」などの寓意を含む場合がありますが、デルヴォーは純粋に汽車が好きだったことが大きな理由です。15歳でトラムの模型を自作し、列車で国内を頻繁に旅行する100年前の‘鉄っちゃん’でした。


第1章「写実主義と印象主義の影響」

デルヴォー作品だけの本展には、スケッチや習作も数多く出品されており、その制作プロセスを感じることができます。

デルヴォーのカンヴァスに描かれる人物はいつも同じ顔をしていますが、モデルを描いたスケッチは実に写実的。作品には理想の女性像(妻のタムといわれています)を投影していたことが分かります。

《夜の使者》は習作と並んで展示されています。つるっとした印象の完成品に対して、習作は意外なほどガリガリと描き込まれており、デルヴォーの別の一面を垣間見ることができます。


《夜の使者》と、その習作

マグリットとデルヴォーのもうひとつの大きな違いは、その生涯。68歳で亡くなったマグリットに対し、デルヴォーは96歳まで長生きしました。

1986年に描いた最後の油彩画《カリュプソー》は、デルヴォーが89歳の時の作品。当時のデルヴォーはかなり視力が衰えていましたが、こちらは120×90cmという大きな絵。最盛期とはタッチの違いこそあれ、大きな瞳の横顔の裸婦はいかにもデルヴォーです。

この後に数点の水彩を描きましたが、最愛の妻・タムが1989年に亡くなってからは、二度と筆を握ることはありませんでした。


第5章「旅の終わり」

ちょうど損保ジャパン東郷青児美術館では、デルヴォーが最も影響を受けたという母国の先輩、ジェームズ・アンソールの回顧展も開催中。京王線1本でベルギーの近代絵画を一望できる両展、ともに会期は11月11日(日)までです。(取材:2012年9月20日)

ポール・デルヴォー

アントワーヌ・テラス (著), 與謝野 文子 (翻訳)

河出書房新社
¥ 3,990

 
会場府中市美術館
開催期間2012年9月12日(水)~11月11日(日)
所在地 東京都府中市浅間町1-3
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/
展覧会詳細へ ポール・デルヴォー 夢をめぐる旅 詳細情報
取材レポート
府中市美術館「青木野枝 霧と鉄と山と」'
青木野枝
東京国立博物館「出雲と大和」'
出雲と大和
弥生美術館「もうひとつの歌川派?! 国芳・芳年・年英・英朋・朋世」'
もうひとつの歌川派
東京都現代美術館「ミナ
皆川明
明治神宮ミュージアム「天皇陛下御即位奉祝 明治神宮ミュージアム開館記念展」'
明治神宮M. 開館
渋谷区立松濤美術館「パリ世紀末ベル・エポックに咲いた華 サラ・ベルナールの世界展」'
サラベルナール
東京都江戸東京博物館「特別展「大浮世絵展
大浮世絵
三井記念美術館「国宝
明治天皇への献茶
東京ステーションギャラリー「坂田一男
坂田一男
出光美術館
やきもの入門
東京国立近代美術館「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」'
窓展
岡田美術館「DOKI土器!土偶に青銅器展
DOKI土器!
東京富士美術館「フランス絵画の精華」
フランス絵画の精華
三菱一号館美術館「印象派からその先へ ― 世界に誇る吉野石膏コレクション展」
印象派からその先へ
神奈川県立近代美術館
ふたたびの「近代」
国立新美術館「ブダペスト
ブダペスト
東京国立博物館
人、神、自然
根津美術館「〈対〉で見る絵画」'
〈対〉で見る絵画
エリアレポート 京都国立近代美術館「記憶と空間の造形 イタリア現代陶芸の巨匠 ニーノ・カルーソ」
[エリアレポート]
ニーノ・カルーソ
エリアレポート 名古屋市美術館「没後90年記念 岸田劉生展」
[エリアレポート]
岸田劉生
エリアレポート 愛知県美術館「コートールド美術館展 魅惑の印象派」
[エリアレポート]
コートールド
エリアレポート 大阪市立東洋陶磁美術館「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション」
[エリアレポート]
竹工芸名品展
エリアレポート 中之島香雪美術館 「上方界隈、絵師済々 Ⅰ」
[エリアレポート]
上方界隈、絵師済々
エリアレポート パナソニック汐留美術館 「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」
[エリアレポート]
暮らしの夢
エリアレポート 岐阜県現代陶芸美術館「小村雪岱スタイル 江戸の粋から東京モダンヘ」
[エリアレポート]
小村雪岱
エリアレポート 三鷹市美術ギャラリー「壁に世界をみる ― 吉田穂高展」
[エリアレポート]
吉田穂高
エリアレポート 豊田市美術館「岡﨑乾二郎 ー 視覚のカイソウ」
[エリアレポート]
岡﨑乾二郎
エリアレポート 国立西洋美術館「ハプスブルク展 ー 600年にわたる帝国コレクションの歴史」
[エリアレポート]
ハプスブルク
エリアレポート 半蔵門ミュージアム 「復元された古代の音」
[エリアレポート]
古代の音
エリアレポート 小泉八雲記念館「ハーンを慕った二人のアメリカ人」
[エリアレポート]
小泉八雲
第3回 インターネットミュージアム検定
B-OWND 工芸のマーケットプレイスミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2020年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
ハプスブルク展−600年にわたる帝国コレクションの歴史 ゴッホ展 特別展 ミイラ ~ 「永遠の命」を求めて デザインあ展 in SHIGA
天皇陛下御即位奉祝 明治神宮ミュージアム開館記念展 千手千足観音立像 高月町西野 正妙寺 特別展 「大浮世絵展 ー 歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演 ー」 利休のかたち 継承されるデザインと心
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「鼠」
グランプリは《大根喰う(大黒)》でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2019、グランプリは「つくぞう&つくみ」でした
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2020 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社