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開館50周年記念 古唐津 ― 大いなるやきものの時代

■出光佐三が愛した古唐津の魅力
【会期終了】 飾らない土味に、やわらかな色合いをまとったやきもの、古唐津。やきものの原点ともいえる素朴な佇まいに深く心を寄せたのが、出光美術館初代館長・出光佐三でした。出光美術館での古唐津展は、2004年以来13年ぶりです。
日本最大規模の古唐津コレクションを誇る出光美術館。本展では厳選された約180件が紹介されています。

桃山時代に九州で生まれた古唐津。朝鮮人陶工の手によってはじまった古唐津は、絵唐津、奥高麗、朝鮮唐津、斑唐津と呼び名も多く、作例の広さは特徴でもありますが、やきものビギナーの方にとっては、ややハードルが高く感じられてしまうかもしれません。

そこで本展では、予習ともいえる序章がたっぷり。「古唐津への招待 ― その経糸と緯糸」で、代表的な作例を紹介するとともに、古唐津に至る縦糸・緯糸として朝鮮陶磁と桃山陶芸に着目し、類似する作例を並べて紹介しています。直観的に古唐津のいろはを学べる構成です。


序章「古唐津への招待 ― その経糸と緯糸」

次の展示室から、本格的な古唐津の紹介。第1章は「絵唐津の大皿と茶陶」です。古唐津を代表する器種のひとつが、直径30cmを超える大皿。この時代の陶器でここまで大きな皿は、古唐津以外にはほとんど見られません。

第2章は「茶碗」。多彩な茶碗がずらりと並ぶ展示ケースは圧巻です。

渦巻模様の《絵唐津ぐりぐり文茶碗》、的と矢が描かれた《絵唐津的矢文天目形茶碗》など、文様もユニークですが、注目していただきたのが碗の形。朝鮮産の高麗茶碗に近い碗形、日本のやきものに多い筒形、中国の格調高い茶碗の形である天目形と、東アジア全体を俯瞰しています。


第1章「絵唐津の大皿と茶陶」 第2章「茶碗」

第3章は「朝鮮唐津と斑唐津 ― 綾なす色、温雅なる白」。黒褐色と白の二色の釉薬をかけわけた朝鮮唐津は、古唐津の大きな魅力のひとつ。コンテンポラリーアートのような表情は、器の前と後ろで大きく異なる事から、ここでは作品を独立ケースで紹介しています。360度回ってお楽しみください。

第4章は「古唐津の宴 ― 懐石の食器と酒器」。大らかでのびのびとした古唐津は、食と酒の器においても重用されました。鉢が内側に大きく折れ曲がった三方内反鉢・四方内反鉢は、土の柔らかさを活かしたユニークな作例です。


第3章「朝鮮唐津と斑唐津 ― 綾なす色、温雅なる白」 第4章「古唐津の宴 ― 懐石の食器と酒器」

終章は「近代への響き」。桃山時代に戦国大名や茶人が求めた古唐津は、近代になると再びブームに。小林秀雄をはじめとした文人たちは、美しい言葉で古唐津への想いを綴っています。

会場最後の《絵唐津丸十文茶碗》こそ、出光の古唐津コレクションの原点です。以前は「手でひねくった人為的なもの」として、古唐津に良い印象を持っていなかった佐三。骨董屋が持ち込んだこの茶碗を偽物と思いましたが、逆に「世間によくある唐津が偽物で、これが本物の唐津」と説明され、古唐津の魅力に開眼したのです。

佐三は親しみを込めて「丸十の茶碗」と呼び、実際に茶を飲むのにも愛用していました。


終章「近代への響き」

エピソードをもうひとつ。戦後、復員してきた社員を支える資金にするため、愛用の古唐津茶碗(丸十とは別の茶碗)を手放す事になった佐三。自分の気持ちを古唐津の色に託し「この渋味を見てくれ給え。判るかね。これが私の気持ちだ」と語ったそうです。美術品とコレクターという関係を超えた、古唐津への想いが滲み出ています。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2017年2月14日 ]



■古唐津 出光 に関するツイート


会場出光美術館
開催期間2017年2月11日(土)~3月26日(日)
所在地 東京都千代田区丸の内3-1-1帝劇ビル9F
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://www.idemitsu.co.jp/museum/
展覧会詳細へ 開館50周年記念 古唐津 ― 大いなるやきものの時代 詳細情報
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