ニュース
    国立西洋美術館がリニューアル ― 前庭に「T字の線」
    (掲載日時:2022年4月8日)

    国立西洋美術館 前庭の「T字の線」
    国立西洋美術館 前庭の「T字の線」

    施設整備のため2020年10月から休館していた国立西洋美術館が、2022年4月9日(土)にリニューアルオープンする。

    大きく改修されたのが、ル・コルビュジエが設計した美術館前の前庭。

    美術館の前庭は1959年の開館以来さまざまな改変が行われており、2016年に本館と前庭を含む敷地全体がユネスコの世界文化遺産に登録された際に、当初の前庭の設計意図が一部失われているという指摘がなされていた。

    今回、地下にある企画展示室の屋上防水の更新にあわせて、前庭を本館開館時の姿に可能な限り戻すこととし、植栽は最小限に縮小。外部との連続性を持たせるため、柵も透過性のある意匠に変更した。

    開館当時は西側(上野公園の噴水広場側)が正門で、その正門からロダンの《地獄の門》へと一直線に伸びる線と、途中で左に直角に曲がり本館へと誘うT字の線が引かれ、人の動きを誘導するような役割を担っていた。

    今回の工事では西側に小さな門を設け、そこから延びるT字の線も、来館者が分かりやすくなるように再整備。ロダンの《考える人》と《カレーの市民》も当初に近い位置に変更され、T字の線に沿って進むことで、ル・コルビュジエの設計意図が感じられるようになった。

    また、常設展の起点となる「19世紀ホール」は、これまでは有料エリアだったが、無料開放される。

    リニューアルオープンと同時に始まる展覧会は、常設展(本館展示室・新館展示室)と、小企画展「調和にむかって:ル・コルビュジエ芸術の第二次マシン・エイジ ― 大成建設コレクションより」(新館 第1展示室)、小企画展「新収蔵版画コレクション展」(新館 版画素描展示室)。

    リニューアルオープン記念の展覧会「自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで」は、2022年6月4日(土)~9月11日(日)に開催される。


    国立西洋美術館 透過性がある意匠に変更された柵
    国立西洋美術館 透過性がある意匠に変更された柵

    国立西洋美術館 西側(上野公園の噴水広場側)に新設された出入口。「T字の線」はここから伸びている。
    国立西洋美術館 西側(上野公園の噴水広場側)に新設された出入口。「T字の線」はここから伸びている

    国立西洋美術館 前庭の植栽は最小限に変更
    国立西洋美術館 前庭の植栽は最小限に変更

    このニュースに関連するミュージアム
    おすすめレポート
    学芸員募集
    肥後の里山ギャラリーの企画・運営担当者(学芸員) [肥後銀行本店 肥後の里山ギャラリー]
    熊本県
    【文化施設】荻窪三庭園・東山旧岸邸スタッフ募集! [荻窪三庭園 または 東山旧岸邸]
    東京都
    【公益財団法人 ポーラ伝統文化振興財団】学芸員募集! [ポーラ伝統文化振興財団(品川区西五反田)141-0031 東京都品川区西五反田2-2-10 ポーラ五反田第二ビル]
    東京都
    足立区立郷土博物館 事務補助員の募集(会計年度任用職員) [足立区立郷土博物館]
    東京都
    アサヒグループ大山崎山荘美術館 学芸員募集 [アサヒグループ大山崎山荘美術館]
    京都府
    展覧会ランキング
    1
    東京都美術館 | 東京都
    ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢
    開催中[あと98日]
    2025年9月12日(金)〜12月21日(日)
    2
    東京国立近代美術館 | 東京都
    ミュージアムで謎解きを ミュージアムラリー2025
    もうすぐ終了[あと14日]
    2025年8月6日(水)〜9月28日(日)
    3
    国立科学博物館 | 東京都
    特別展「氷河期展 〜人類が見た4万年前の世界〜」
    開催中[あと29日]
    2025年7月12日(土)〜10月13日(月)
    4
    国立西洋美術館 | 東京都
    オルセー美術館所蔵 印象派ー室内をめぐる物語
    開催まであと41日
    2025年10月25日(土)〜2026年2月15日(日)
    5
    国立新美術館 | 東京都
    ルーヴル美術館展 ルネサンス
    開催まであと360日
    2026年9月9日(水)〜12月13日(日)