展覧会概要

会場入口
豊田市美術館(以下、豊田市美)で、開館25周年を記念した全館コレクション展が始まりました。
タイトルの「DISTANCE いま見える景色」からは、新型コロナの影響で日常生活でも注意するようになった他者との距離感を意識していることがうかがえます。
展覧会は、「豊田市美術館25年の歩み-展覧会ポスターとコレクション」と「距離の楽しみ-所蔵作品にみる遠近の感覚」の2つのテーマ展示で構成されています。
展示室にて

展示風景
開館当時は、デザインに関する展覧会が多く開催されていました。そのため、展示室の入口近くは、絵画、彫刻ではなく、さまざまなデザインの椅子が並んでいます。

トニー・クラッグ≪スペクトラム≫1979年
開館から2年目の1997年には、「トニー・クラッグ」展と「ジュゼッペ・ペノーネ 石の血管」展を開催しています。
展示室の奥に目を向けると、代表的なコレクション作品であるトニー・クラッグやジュゼッペ・ペノーネの作品が見えます。

展示風景
豊田市美といえば、昨年の「クリムト展 ウィーンと日本 1900」の印象が強いのですが、開館当初から現代美術を積極的に扱っていたことがわかります。

展示風景
展示室を進むと、若林奮、森村泰昌、杉戸洋、村瀬恭子、奈良美智らの作品も展示されています。
作品の近くには、その作家の展覧会のポスターも展示されています。ポスターを見て、当時の展覧会の記憶がよみがえるものもありました。

展示風景
展示されている作品には物理的な遠近感を連想させるものの他に、過去と現在という時間的な経過を意識させる作品もあります。
これらは年代が違うメンバーを含むグループで鑑賞すると解釈に幅が出て、面白いと思います。

若林奮≪大風景 (4th Stage)≫1964,91年
展覧会関連イベントとして、「じっくり読みとく作品鑑賞会」(会場からひとつの作品をとりあげて、作品ガイドボランティアと話しながら楽しむ)が、毎週末開催されます。(開催日、参加方法などは豊田市美のHPを参照)
興味があれば、参加してみてはいかがでしょう。
なお、レポート中の写真の作品はすべて豊田市美術館所蔵です。
[ 取材・撮影・文:ひろ.すぎやま / 2020年10月17日 ]
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