山口情報芸術センター[YCAM]では、ローレン・リー・マッカーシーとカイル・マクドナルドとYCAMによる新作パフォーマンス《アンラーニング・ランゲージ》を発表します。アメリカ・ロサンゼルスを拠点に活躍するアーティストのローレン・リー・マッカーシーとカイル・マクドナルドは、いずれもコード(コンピュータープログラム)を表現方法として用いるアーティストです。高度情報化社会を批評的に捉える映像作品やインスタレーション作品、パフォーマンス作品を多数発表しており、それらは世界各地の美術館や、国際的なアートフェスティバルなどで展示・上演され、高い評価を受けています。本公演のためマッカーシーとマクドナルドは、1年以上に渡ってYCAMとコラボレーションを展開し、新作のパフォーマンス作品《アンラーニング・ランゲージ》を制作しました。
本作は、YCAMが研究者や専門家とともに2020年から3年に渡り進めてきた、情報とインターネットの未来を探る研究開発プロジェクト「鎖国[WalledGarden]プロジェクト」の成果として公開されます。世界初公開となる《アンラーニングランゲージ》は、「AI(人工知能)にはない人間の資質とはなにか?」というテーマを探求した観客体験型パフォーマンス作品となっています。
会期中はこのほか、新作作品の理解をより深めるための展示やトークイベントを多数開催します。詳細・申し込み方法は山口情報芸術センターウェブサイトをご覧ください。
ローレン・リー・マッカーシー
監視、自動化、アルゴリズム化された生活の中での社会的関係を考察するアーティスト。「SOMEONE」でアルスエレクトロニカのゴールデン・ニカ賞と文化庁メディア芸術祭ソーシャルインパクト賞、「LAUREN」でIDFA DocLab Award for Immersive Non-Fictionを受賞。彼女の作品は、Barbican Centre、Haus der elektronischen Künste、SIGGRAPH、Onassis Cultural Center、IDFA DocLab 、Science Gallery Dublin、Seoul Museum of Artなどで国際的に展示されてきた。 UCLAで修士号を取得、MITでコンピュータサイエンスとアート&デザインの学士号を取得。またオンラインでコードによる創造的な表現を学ぶためのオープンソースプログラミング言語「p5.js」のクリエーターでもある。UCLAデザイン・メディア・アーツ准教授。
カイル・マクドナルド
コードを用いて作品を制作するアーティスト。「openFrameworks」のようなアートとエンジニアリングのオープンソース・ツールキットの貢献者であり、アーティストたちが新しいアルゴリズムを創造的に利用するためのツールを開発している。アイデアや計画を完成前に公開し、共有する手法を採用しており、ネットワーク・コミュニケーションと演算をクリエイティブに覆し、グリッチや構造的なバイアスを探り出し、これらの概念を拡張して、アイデンティティから関係性まであらゆるものごとを転倒させるような作品を生み出している。またコンピュータービジョンとインタラクションを探求するワークショップも頻繁に企画している。