【開催趣旨】
令和7年は乙巳(いっし/きのとみ)年です。1380年前の6月12日(旧暦)、飛鳥板蓋宮(あすかいたぶきのみや)で「乙巳の変」が起きました。中大兄皇子(のちの天智天皇)と中臣鎌足が、当時の権力者である蘇我蝦夷・入鹿父子を殺害し、蘇我氏本宗家を滅ぼした古代史上もっともセンセーショナルな事件です。新時代の始まりを告げるこのクーデターを契機にして、政権は、蘇我氏の本拠地である飛鳥から、当時の主要国際港(難波津)がある難波に遷され、大陸の先進文化を採り入れた新たな国家体制が整えられていきます。
この講座では、古代史と考古学の最新研究をもとに、西暦645年に起きた一連の政治改革の実像に迫りたいと思います。
【講演内容】
第1回:令和7年8月30日(土)
演題:「改新の詔の歴史的意義」
講師:舘野和己先生(当館館長) 専門分野/日本古代史
第2回:令和7年9月13日(土)
演題:「難波長柄豊碕宮の先進性と大化改新」
講師:積山 洋先生(大阪公立大学文学研究科客員教授) 専門分野/考古学
第3回:令和7年9月27日(土)
演題:「改新政府を支えた大臣、阿倍内麻呂」
講師:谷﨑仁美(当館学芸員) 専門分野/歴史考古学
第4回:令和7年10月11日(土)
演題:「東アジアからみた乙巳の変」
講師:田中俊明先生(滋賀県立大学名誉教授) 専門分野/朝鮮古代史
第5回:令和7年10月18日(土)
演題:「蘇我氏衰退の歴史的背景をとく」
講師:平林章仁先生(元龍谷大学文学部教授) 専門分野/日本古代史