「ミレー3大名画展」は、パリのオルセー美術館と共同企画 されたものです。オルセー美術館所蔵のジャン=フランソワ・ミレーの3大名画≪晩鐘≫≪落穂拾い≫≪羊飼いの少女≫は、近代文明が21世紀に伝える最高の文化遺産に含まれると言われています。この3大名画が日本で一堂に会するのは今回が初めてであり、おそらくこれが日本で最後の機会になるでしょう。≪晩鐘≫は保存状態の理由から、外国への貸し出しが今後困難になることが予想されるからです。
ミレーは、人間の苦しい労働とその尊さを描きつづけました。民衆を描いた画家は中世以来存在していますが、ミレーは、従来の画家とは根本的に異なっていました。伝統的な歴史画やキリスト教会絵画が主流であった時代に、現実社会を正面から取りあげ、ひたむきに、謙虚に生きる庶民の姿を描いたのです。後世の画家たちに大きな影響を与えたことは言うまでもありません。
本展は、ミレーといえばバルビゾン派という従来の固定的な捉え方を離れ、新しいミレー像を提示することによって、絵画が持っている社会的機能、そして、庶民の生活を通して、働くこと、生きることの意味、人間の尊厳とは何かを問いかけたいと考えます。ミレーの3大名画を中心に、ピサロ、ゴッホ、ゴーギャン、ピカソなど、ミレーに影響を受けた大画家たちによる作品73点を網羅いたします。