フランス象徴派展

フランス社会が爛熟の極みに達した19世紀末、その科学的な合理主義、産業がもたらした物質文明、自然主義を拒否して、内奥の夢とはるかな幻想の世界に逃避しようとする芸術が生まれました。美術が文学や伝説、神話の世界に近づき、詩的な風景、美しい過去の思い出、無意識の世界、そして時には不安や悪夢といった幻想が、作品の中に登場します。それらの幻想的なイメージは、今日のマンガやファンタジック・アニメの源泉になっているともいえます。 本展では、1999年にブリュッセルで開かれた展覧会で紹介され、大きな反響を呼んだ、パリの個人コレクターによるフランス象徴派のコレクションを中心に、オディロン・ルドンやギュスターヴ・モローといった画家のほか、日本では今日に至るまで展示されたり掲載されたりする機会が殆どなかったような作家たちの作品を含め、80点余りの作品を展示します。