特別展「創画会60年記念 山本丘人展 ～松篁の盟友 丘人の画業を成川美術館所蔵品でたどる～」

　戦後の日本画壇に一石を投じた美術公募団体【創造美術】は今年、結成60年を迎えます。上村松篁や山本丘人、秋野不矩など当時の新進気鋭の日本画家たちが「世界性に立脚する日本絵画の創造を期す」との宣言のもと発足した【創造美術】は、自由と独立の旗を高くかかげ新しい時代にふさわしい日本画を模索、戦後の日本画に大きな影響を与えました。既に創立メンバーは皆逝去し、現在は彼等の意志を引き継ぐ次世代の画家たちが、【創画会】の名のもと革新的日本画を次々と発表しています。 　本展では、創画会結成60年を記念して山本丘人展を開催します。偉大で厳しい自然をテーマに、精神性の高い作品を描いた山本丘人。上村松篁も山本丘人を深く尊敬し、「私の生涯の親友でありまた盟友である」と述懐しています。【創造美術】結成時、既に日展の審査委員という立場にあった山本丘人と上村松篁が結成に参加した決意は、大変なものだったに違いありません。二人が【創造美術】を舞台に築き上げていった芸術世界を今回、箱根・芦ノ湖畔に位置する成川美術館のご協力により、各々の美術館においてご覧いただきます。奈良・松伯美術館では山本丘人の作品約70点により、初期から晩期までの画業を紹介、また、箱根・成川美術館では上村松篁の全貌をご覧いただきます。【創造美術】創立メンバーであった二人の画業と互いに認めあった各々の芸術観を、この機会にご紹介できれば幸いです。