インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
【注意】新型コロナウィルス感染防止にともない、展覧会・イベントは中止になる場合があります。必ず公式サイトでご確認ください。[休館情報はこちら]
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  坂田一男 捲土重来

坂田一男 捲土重来

■知られざる「最先端の前衛」
【会期終了】 1920年代にパリで活躍した前衛画家、坂田一男(1889-1956)。最先端の芸術を理解し、本場で精力的に活動するも、日本では中央画壇と距離を置いていた事もあり、知名度は高いとは言えませんでした。知られざる坂田一男の全容に迫る展覧会が、東京ステーションギャラリーで開催中です。
坂田一男は1889年、岡山生まれ。画家を志して上京し、岡田三郎助や藤島武二のもとで学びました。1921年にフランスに渡り、本格的に画家としての道を歩み始めます。

フランスでは、最先端の芸術運動だったキュビスムのフェルナン・レジェに師事。さらに、キュビスムを超える「ピュリスム」を提唱していたアメデ・オザンファンらとも交友し、絵画の本質を追求していきます。

フランスでは複数のサロンの会員になるなど、第一線で活躍。この時期に本場の美術を身につけた日本人画家として、稀有な存在といえます。

1933年に帰国。世相は戦争に突き進んでいく不幸な時代ですが、坂田の画業は深化を続けていきます。

この時期の坂田の作品にしばしば登場するのが、手榴弾。外界に抵抗しながらも自らを律し、破局に至る寸前で踏み留まっているかのようです。



坂田の創作にとって大きな出来事となったのが、1944年の水害。海抜の低い干拓地にあったアトリエが冠水し、多くの作品が被害を受けました(1954年にも水害に遭っています)。

1934年制作の《静物Ⅰ》《静物Ⅱ》も被害を受けた作品で、絵の具の破片を集めて修復したもの。ただ坂田は「被災からの修復」を、自らの創作に取り入れていきます。

1949年の《エスキース》は、まさにエスキース=本画を制作する前の下絵であるにも関わらず、絵具が剥落した様子が描写されています。被災と修復の逆転が、意図的に組み込まれている事になります。

戦後の坂田は、スリットのような形を縞模様に配置し「スリット絵画」を制作。縞の重なりは、時間の積層ともとらえられます。

展覧会には坂田以外の作品も展示。坂本繁二郎は‘事物への探求’、ジョルジョ・モランディは‘トポロジカルな空間操作’、ジャスパー・ジョーンズは‘異なる時間の積層’に、坂田の作品との類似性を見出しています。

会場後半には、スケッチなど大量の資料も展示されています。展覧会の準備中に発見された渡仏期のスケッチからは、墨で塗りつぶされたような部分に、詳細な日本の風景が描かれている事も見つかりました。今後の研究も期待されます。

生前「ワシの絵は50年経ったら分かるようになる」と語っていた坂田。没後60年を過ぎ、時代は坂田の意図に追いついたでしょうか。近代美術史研究者でもある造形作家の岡﨑乾二郎さんを監修者に招いて実現した展覧会です。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年12月6日 ]

まるごと東京ステーションギャラリー まるごと東京ステーションギャラリー

東京ステーションギャラリー (監修)

東京美術
¥ 2,200

 
会場東京ステーションギャラリー
開催期間2019年12月7日(土)~2020年1月26日(日)
所在地 東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東京駅 丸の内北口 改札前
TEL : 03-3212-2485
HP : http://www.ejrcf.or.jp/gallery/
展覧会詳細へ 坂田一男 捲土重来 詳細情報
新型コロナウィルス感染予防にともなう、ミュージアム休館情報
取材レポート
足立美術館に「魯山人館」がオープン'
魯山人館オープン
昭和館「SF・冒険・レトロフューチャー」'
レトロフューチャー
太田記念美術館「月岡芳年
月岡芳年
アソビル「バンクシー展
バンクシー
ポーラ美術館「シュルレアリスムと絵画
シュルレアリスム
泰巖歴史美術館がオープン'
泰巖歴史美術館
クラシックホテル展
クラシックホテル
練馬区立美術館「生誕140年記念 背く画家 津田青楓とあゆむ明治・大正・昭和」'
津田青楓
郡山市立美術館「石田智子展」'
石田智子展
永青文庫「古代中国・オリエントの美術
細川ミラー
三菱一号館美術館「画家が見たこども」'
画家が見たこども
府中市美術館「ふつうの系譜」'
ふつうの系譜
東京国立近代美術館「ピーター・ドイグ」'
ピーター・ドイグ
横浜美術館「澄川喜一 そりとむくり」'
澄川喜一
東京国立博物館「法隆寺金堂壁画と百済観音」'
法隆寺金堂壁画
エリアレポート 大阪市立東洋陶磁美術館「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション」
[エリアレポート]
竹工芸名品展
エリアレポート 東京国立近代美術館「ピーター・ドイグ展」
[エリアレポート]
ピーター・ドイグ
エリアレポート 小泉八雲記念館「ハーンを慕った二人のアメリカ人」
[エリアレポート]
小泉八雲
第3回 インターネットミュージアム検定
B-OWND 工芸のマーケットプレイスミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2020年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
奇蹟の芸術都市バルセロナ 超写実絵画の襲来 ホキ美術館所蔵 ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 SF・冒険・レトロフューチャー
開館60周年記念名品展Ⅰ モネからはじまる住友洋画物語 コートールド美術館展 魅惑の印象派 特別展「リサ・ラーソン-創作と出会いをめぐる旅」 THE ドラえもん展 NIIGATA 2020
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「鼠」
グランプリは《大根喰う(大黒)》でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2019、グランプリは「つくぞう&つくみ」でした
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2020 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社