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レポート
鉄道×絵画
鉄道博物館 | 埼玉県
「日本のゴッホ」の大作、8年ぶりに展示
さいたま市にある鉄道博物館。歴史的な実物車両を所蔵・展示しているのはもちろん、実は鉄道に関連する絵画も多数収集しています。スペシャルギャラリー1で、コレクションの一部が公開されています。
会場
(左から)伊藤安次郎《天山丸》 / 黒岩保美《連合国軍用専用客車車内図》
(左上から)清水市郎《東京日本橋之景》 / 歌川国松《横浜名勝競 内田町よりステンションの図》(ともに展示は4/21まで)
(右)佐々木英夫(大山英夫)《機関車点検》
(左下から)《鉄道七十年の今昔「東京駅と美人」》 / 綱島亀吉《東京名所 東京停車場之図》(ともに展示は4/21まで)
(左から)五味清吉《後藤新平肖像》 / 中村研一《中村是公肖像》 / 田辺至《中村雄次郎肖像》。順に満鉄の初代、2代、4代総裁。
(左から)子安雅《6輪タンク機関車》 / 《機関車略図》
(左下から)重要文化財《鉄道庁事務書類》から「駅長助役帽子改正ノ件」 / 《告知用紙(西宮祭礼に伴う臨時列車広告)》(ともに展示は4/21まで)
6回目となるコレクション展。今回は鉄道とその周辺を描いた絵画を紹介していきます。

絵画は著名な職業画家による作品だけでなく、元国鉄職員などが描いた作品も紹介しているのは特徴的です。

汽車製造会社に勤めていた西田米次郎が描いた《30号機関車》は、蒸気機関車の車体がえんじ色。黒一色と思われがちな蒸気機関車のイメージを覆すもので、歴史的な資料としても価値があります。


会場入口から。鍋井克之《汽車の走る風景》は二科展への出品作。西田米次郎《30号機関車》は、えんじ色の車体が描かれています

奥に進むと、展覧会メインビジュアルになっている長谷川利行《赤い汽罐車庫》が登場、実に8年ぶりの展示です。

1929年の第4回1930年協会展に出品された、112cm×194cmという大きな作品。酒浸りの末に養老院で孤独死と、エキセントリックな人生を歩んだ長谷川利行ですが、「日本のゴッホ」と称される実力は折り紙付き。車庫と地面の赤と黒々とした機関車を、力強いタッチで描きました。

隣に並ぶのは、岡田三郎助《野菊と薔薇》。一見すると鉄道の絵画とは関係なさそうですが、12号御料車の御座所に掲げられていたもの。つまり昭和天皇が移動する際にご覧になっていた絵という事になります。12号御料車の実車も、常設展示で紹介されています。


順に、長谷川三千春《電気機関車車庫》、長谷川利行《赤い汽罐車庫》と、岡田三郎助《野菊と薔薇》

鉄道博物館らしいモチーフの油彩が、佐々木英夫(大山英夫)《機関車点検》。238.4cm×200.2cmと、鉄道博物館の所蔵絵画のなかで最も巨大な作品です。

並んでいる肖像画は、南満州鉄道(満鉄)の歴代総裁。詳しい経緯は分かっていませんが、昭和12年に12人の肖像画が制作されました。作品は、和田三造が2点描いた以外はすべて別の画家。岡田三郎助、中村研一、藤島武二、和田英作など錚々たる面々です(前後期で6点づつ展示されます)。


佐々木英夫(大山英夫)《機関車点検》と、歴代の満鉄総裁を描いた肖像画

会場の最後では、美術品以外の鉄道の絵も展示。機関車の内部構造を紹介する説明図《機関車略図》や、淡い色彩が施された図面《6輪タンク機関車》は、美術品とはいえませんがとても美しい説明図です。

面白いのが、国の重要文化財《鉄道庁事務書類》にある「駅長助役帽子改正ノ件」。文書の間に、駅長と助役の制帽の図が差し込まれています。明治時代の行政文書には、このように事柄を補足する文章が見られました。


順に《機関車略図》、《6輪タンク機関車》、重要文化財《鉄道庁事務書類》から「駅長助役帽子改正ノ件」(《鉄道庁事務書類》の展示は4/21まで)

春休みのちびっ子で賑わっている鉄道博物館。37両の実物車両、大きな鉄道模型ジオラマ、人気の運転シミュレータとともに、力強い鉄道の絵もお楽しみください。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年3月27日 ]

※会期中、一部の資料が展示替えされます。


 
会場
会期
2014年3月15日(土)~6月2日(月)
会期終了
開館時間
10:00~17:00(最終入館/16:30)
※当面、開館時間を短縮します
休館日
火曜日(祝日や学校等の長期休暇中は開館する日があります)、年末年始(12月29日~1月1日)
住所
埼玉県さいたま市大宮区大成町3-47
電話 048-651-0088(代表)
048-651-0088(代表)
公式サイト http://www.railway-museum.jp/
料金
無料(入館料でご覧いただけます)
展覧会詳細 鉄道博物館 第6回コレクション展「鉄道×絵画」 詳細情報
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