IM
レポート
メナード美術館コレクション名作展 -とっておきの名画と出会う-
メナード美術館 | 愛知県
話題の葛飾応為《夜桜美人図》が登場
日本メナード化粧品株式会社の創業者、野々川大介・美寿子夫妻の出身地・愛知県小牧市にあるメナード美術館。印象派以降の西洋絵画、日本画、日本洋画、彫刻、工芸、古美術など1400点余りを所蔵しています。この時期恒例のコレクション名作展、現在3期が開催中です。
(左から)横山大観《海に因む十題・黒潮》 / 葛飾応為《夜桜美人図》
(左から)ポール・セザンヌ《麦藁帽子をかぶった子供》 / ピエール=オーギュスト・ルノワール《読書する女》
(左から)アンリ・マティス《ヴェールをかぶった女》 / フィンセント・ファン・ゴッホ《一日の終り(ミレーによる)》
(左から)入江波光《烏骨鶏》 / 岡部嶺男《窯変翠青瓷砧》 / 小茂田青樹《竹雀図》
舟越桂《長い休止符》
(左から)中村彝《少女習作》 / 岡田三郎助《裸婦》
(左から)ジェームズ・アンソール《仮面の中の自画像》 / エミール・ノルデ《森の小道》
名古屋市の北に位置する小牧市。市の中心部近くにあるメナード美術館は、ここ数年は年に5本の展覧会を開催しており、この時期にコレクションの名作を披露するのも定番となりました。

5つの展示室とミニギャラリーを有する同館。早速、順路を追ってご紹介しましょう。

まずは、中庭からの陽光で開放的な展示室1。ここでは美術館の顔といえるマリノ・マリーニ《馬と騎手(街の守護神)》をはじめ、大小の彫刻が展示されています。

奥の展示室2は、西洋絵画 Part1。モネ、ルノワール、ピカソなど、19世紀後半から20世紀半ばの西洋美術が並びます。

本展では2つの作品がコレクションより初公開となります。アンリ=エドモン・クロス《木陰のある浜辺》は新印象派の点描画で、かなり大きな点で描かれているのが特徴的です。

もうひとつのジョルジュ・スーラ《働く農夫》は対照的な小品。1882年頃から、スーラは元はシガーボックスの蓋だった小さな板に油彩画を多く残しました。本作もそうした作品と同サイズの板に、畑仕事を行う農夫が描かれています。


展示室1の彫刻から、展示室2の西洋絵画 Part 1へ

3期の最大の目玉である葛飾応為《夜桜美人図》は、展示室3で展示されています。昨年4月にテレビで紹介され、美術館には展示の問い合わせが相次いでいました。

作者は、葛飾北斎の娘である応為(おうい)。天才浮世絵師である北斎も「美人画ではかなわない」と、その才能を認めていました。

本作に見られるような西洋画風の明暗表現は、応為の真骨頂です。灯篭の光に照らされた美人の顔、順光と逆光での桜の描き分け、闇の中に浮かぶ灯篭の脚と、光の作用を強調した表現が印象的です。

さらに注目は、夜空に描かれた星。星(恒星)は表面温度の違いで色の差がありますが、応為は胡粉で白く描いた後に顔料を載せる事で、微妙な星の色を表現しています。光に対する強い思いは、応為ならではといえるでしょうか。


葛飾応為《夜桜美人図》

続いて、ミニギャラリーで舟越桂の彫刻、展示室4にレオナール・フジタや佐伯祐三などの日本洋画、展示室5は西洋絵画 Part 2としてシャガール、ミロ、マグリット等々、という会場構成。3期では、計74点が紹介されています。

メナード美術館のコレクションは、特定の作家や画派に偏る事がありません。あえて基準を挙げるなら「作家の個性をぎゅっと凝縮したような作品」。例えばフジタは裸婦、小磯良平は群像、アンソールなら仮面と、その作家を代表するモチーフが多い事も印象的です。

会場を通してみる事で、日本と西洋の美術を網羅的に楽しむ事が可能。美術に詳しい方はもちろん、あまり詳しくない方も、きっと美術の素晴らしさを感じていただけると思います。

2017年10月28日で、ちょうど開館30周年を迎えるメナード美術館。本展の後は、4月26日まで改修工事のため一時休館となります。

名古屋からのアクセスは1時間弱。公式サイトでは乗り換えなしのバスがご紹介されていますが、気候が良ければ電車(地下鉄名城線+上飯田線)も便利。小牧駅からは小牧山方面に徒歩15分程です。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2016年12月27日 ]

北斎娘・応為栄女集北斎娘・応為栄女集

久保田 一洋 (著)

藝華書院
¥ 2,160


■メナード美術館コレクション名作展 に関するツイート


 
会場
会期
2016年10月1日(土)~2017年1月29日(日)
会期終了
開館時間
10:00~17:00(入館16:30まで)
休館日
月曜日(但し10/10、1/2・9は開館)、10/11(火)、12/24(土)〜1/1(日)、1/10(火)
住所
愛知県小牧市小牧5-250
電話 0568-75-5787
公式サイト http://museum.menard.co.jp/
料金
一般 900円 (700円)
高大生 600円 (500円)
小中生 300円 (250円)
※( )内は20名以上の団体料金および前売料金
※障害者手帳をお持ちの方および同行者1名は無料
★リピート割…メナード美術館コレクション名作展(2016.10.1~)の半券で2回目以降の本展入館料が半額になります *他の割引との併用はできません
展覧会詳細 メナード美術館コレクション名作展-とっておきの名画と出会う- 詳細情報
おすすめレポート
ニュース
ご招待券プレゼント
学芸員募集
展覧会ランキング
おすすめコンテンツ