東京都美術館「没後70年 吉田博展」会場
明治から昭和にかけて洋画と版画で活躍した吉田博(1876-1950)の大規模回顧展が始まる。
吉田博は福岡県久留米市生まれ。幾度もの海外体験を通じて東西の芸術に触れながら、独自の表現と技法を確立。画業の後期には木版画で新境地を開き、アメリカをはじめ国外でも人気を獲得。
ロンドンのケンジントン宮殿にあった故ダイアナ元英国皇太子妃の執務室にも、吉田の版画が飾られていた。
展覧会では初期から晩年までの木版画を一堂に集めるとともに、版木や写生帖をあわせて展示。西洋の写実的な表現と日本の伝統的な版画技法の統合を目指した吉田博の木版画の全容に迫る。
「没後70年 吉田博展」は東京都美術館 企画展示室で2021年1月26日(火)~3月28日(日)に開催。入館料は一般 1,600円など。
なお吉田博の木版画は、従来の浮世絵版画と同様に絵師、彫師、摺師による分業により制作された「新版画」にあたるが、今年は、SOMPO美術館で川瀬巴水展(10月2日~12月26日)、太田記念美術館で笠松紫浪展(2月2日~3月28日)など、相次いで新版画の展覧会が都内で開催される。
東京都美術館「没後70年 吉田博展」会場
東京都美術館「没後70年 吉田博展」会場
東京都美術館「没後70年 吉田博展」会場