根津美術館「茶入と茶碗 ― 『大正名器鑑』の世界 ―」会場
茶入と茶碗の名品875点を全9編11冊で紹介する『大正名器鑑』をテーマに、関連する茶道具などを紹介する展覧会が根津美術館で開催される。
『大正名器鑑』は大正10年(1921)から刊行が始まり、今年で刊行百年。三井呉服店や王子製紙などで重役を務めた実業家で、引退後は茶人として活躍した高橋義雄(1861~1937、号箒庵[そうあん])が編纂した。
現在、数々の茶道具の中で茶入と茶碗の人気が高いのも、この本が茶入と茶碗を「茶器の儀表(=手本・模範)」としている事も理由のひとつとされている。
展覧会では、根津美術館が所蔵する茶入と茶碗を中心に『大正名器鑑』の成立過程を概観。また、刊行関連行事で用いられた作品を通して、高橋義雄と、根津美術館コレクションの礎を築いた初代根津嘉一郎(1860~1940、号青山[せいざん])の友情の証も紹介する。
会期は2021年5月29日(土)~7月11日(日)の予定だったが、緊急事態宣言の延長にともない開幕は延期に。2021年5月28日(金)に報道向け内覧会は実施されたが、同展の日時指定予約の開始日を含め、開幕日は未定となっている。入館料は一般 1,300円など。