
北川フラム・総合ディレクター
日本で最初の地方における大規模芸術祭として、2000年に1回目の企画展が開催された「大地の芸術祭 越後妻有」で、第9回展の企画発表会が都内で開催された。
「大地の芸術祭 越後妻有」は、市町村統合に向けた新潟県の広域まちづくり事業として、1994年の「ニュースにいがた里創プラン」からスタート。
新潟県十日町市(旧十日町市、川西町、中里村、松代町、松之山町)、津南町を舞台に、2000年から2018年までは3年おきに開催。2021年に予定されていた第8回展はコロナ禍のため延期になり、2022年に開催された。
初期は「受付した日に1人しかこない」「作品鑑賞のバスは空気を運んでいる」(北川フラム・総合ディレクター)などの嘲笑を受けたこともあったが、第8回展は作品数333点、展示集落数109集落、来場者数約57万人を記録。
「展覧会はホワイトキューブの美術館で見るもの」というそれまでの概念を覆し、後に他の地方都市でも続々と芸術祭が開催されることとなった。
第9回展は、延期になった第8回展の2年後にあたる2024年に開催。
新作・新展開作家作品は、72組(17の国と地域)。主な作家は、東弘一郎、尾花賢一、日比野克彦、久保寛子、イリヤ&エミリア・カバコフ(旧ソ連/アメリカ)、アントニー・ゴームリー(イギリス)など。
公募による出展作家は8組で、岩城和哉+東京電機大学岩城研究所、牛島智子、加治聖哉、楢木野淑子、増田啓介+増田良子、力五山一加藤力・渡辺五大・山崎真一(すべて日本)、elparo(フランス)、ロジャー・リゴース(ドイツ)(2023年11月19日時点)。
企画発表会には、大地の芸術祭で総合プロデューサーを務める福武總一郎氏も登壇。第2回展を見て感激した福武氏が、同様の芸術祭を香川で行なうため、北川フラム氏の還暦祝いをハワイに招いて行い「これなら断られないだろう」と瀬戸内国際芸術祭への協力を取り付けたエピソードを披露した(瀬戸内国際芸術祭は2010年から3年ごとに開催)。
「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024」は、2024年7月13日(土)〜11月10日(日)に開催。火・水定休。
作品鑑賞パスポートは、一般が前売 3,500円(2024年春発売)、当日 4,500円など。
2024年1月13日(土)〜3月10日(日)には、アートトリエンナーレ2024に先駆けたプレイベントも開催。2月23日(金・祝)には、田中泯が雪の中で良寛を踊るパフォーマンス「雪の良寛」も行われる。

福武總一郎・総合プロデューサー