人気イラストレーター、中村佑介さんの過去最大規模となる展覧会が、東京ドームシティ・ギャラリー アーモで開催中です。


中村佑介さんの名前は知らなくても、その作品を見たらピンと来る方が多いはず。
2006年の『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦 著)、2010年の『謎解きはディナーのあとで』(東川篤哉 著)など、数多くのブックカバーを描き、書店でその作品を目にしない事はないほどです。
また、ASIAN KUNG-FU GENERATIONやさだまさしなど、数々のCDジャケットも手がけているほか、各種のパッケージやTVCMのキャラクターも制作。自身もセイルズとしてバンド活動を行うなど、幅広く活躍しています。



今回の展覧会は、活動15周年を記念して大阪・池袋・名古屋・福岡で開催された「中村佑介展 15 THE VERY BEST OF YUSUKE NAKAMURA」の拡大版。
最新作などを多数追加し、中村さんがこれまで携わってきた仕事のほぼ全てが一堂に会する、過去最大規模の中村佑介展になりました。


展覧会では完成されたイラストだけでなく、着色前の線画やアイデアスケッチが展示されているのも特徴的です。
フィニッシュに至るまでのプロセスが見られるため、中村さんのファンはもとより、イラストレーターを目指している方にとっても、貴重な機会になると思います。


ギャラリー アーモはかなり広い会場ですが、文字通り中村佑介さんの作品でビッチリ。開幕前のリリースでは「300点以上」とされていましたが、ゆうに400点超え。さらに11月3日の公式サイトで「中村佑介さんからのスペシャルギフトとして会場内の展示原画が5点追加されました」とありましたので、ますますパワーアップした模様です。
また、館内は撮影自由というのも、嬉しいポイントです。


このコーナーでは、2018年に弥生美術館で開催された「セーラー服と女学生」展で中村佑介さんの作品をご紹介しましたが、これだけのボリュームは初めて。懐かしさを感じさせる作風ながら、若い人を魅了する高いデザイン性には感服するばかりです。
会期中には入館者特典として、疫病をおさめると言われる謎の妖怪"アマビエ"をモチーフにしたオリジナルマスクケースのプレゼントも。ちなみに、チケット購入および物販購入では「Go Toトラベル」地域共通クーポンも使えます。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2020年10月30日 ]