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レポート
伊東深水展
高崎市タワー美術館 | 群馬県
薄物をまとった若妻、必見の名作が出展中
大正から昭和にかけて活躍した日本画家、伊東深水(1898~1972)。時代が変わる中近代美人画の表現を追求し続け、流行や風俗も取り入れた作品は高い人気を誇りました。初期の名作《指》をはじめ、代表作と素描で「深水美人」の全容に迫る展覧会が、高崎市タワー美術館で開催中です。
《舞》 / 《春の宵(雪月花三部作の花)》1961年
《春宵(東おどり)》1954年
《鏡獅子》1934年 / 《舞》
《蚊帳》 / 《笠森お仙》1917年
《湯気》1957年 / 《裸婦》
《宋磁》1955年 / 《少女》
《黒いドレス》1956年 / 《黒いドレス》 / 《赤と白 A・B》
会場
歌川国芳からはじまる玄冶店(げんやだな)派の本流に属する伊東深水。「玄冶店」は国芳が居を構えていた場所の地名で、現在の日本橋人形町3丁目あたり。歌川国芳 ─ 月岡芳年 ─ 水野年方 ─ 鏑木清方 ─ 伊東深水、という流れになります。

伊東深水は東京・深川生まれ。13歳で鏑木清方に入門、17歳で文展に入選するなど、若い頃から高い実力を備えていました。

師の清方は「西の松園、東の清方」といわれた美人画の大家。深水は「美人画家」として固定される事は本意ではなかったようですが、やはり師匠譲りの端正な美人画が目に留まります。


4階会場

展覧会のメインビジュアルが《指》。1922(大正11)年の平和記念東京博覧会美術展で二等銀牌を受賞した作品です。当時も大変な評判を呼び、出展中も人だかりが絶える事がなかったと伝わります。

モデルは3年前に結婚した妻・好子(会場には好子の写真もあります)。縁台に腰かけて、結婚指輪をじっと見つめる好子。若妻は素肌に薄物をまとった姿で描かれ、身体の線や腰巻が透けて見える、色っぽい作品です。


《指》1922年

院展・文展で活躍した深水。帝展の審査員を務め、1958(昭和33)年には日本芸術院の会員になるなど、日本画壇の中心的な存在として活躍を続けました。

本展は本画23点に加え、多くの素描も出展されています。深水がどの部分にこだわって作画を進めているか、下絵の線から見つけていく楽しみもできます。


4階から3階に進む動線です

後年には、時代性を取り入れた美人画表現にも腐心した深水。ピカソの表現を参考にしたり、洋画の色面分割を取り入れた作品など、新たなスタイルにも挑戦していきました。

1972年に74歳でなくなるまで研鑽を続けた深水。白鳥映雪や濱田台児(ともに日本芸術院会員)、挿絵画家の岩田専太郎ら、多くの弟子も育てています、


洋装の美人画にも名作が多数

高崎駅を出たら、目の前にある高崎市タワー美術館高崎市美術館(4月10日まで「『描く!』マンガ展」が開催中)は駅の反対側にありますが、両館は徒歩で10分弱の距離です。あわせてお楽しみください。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2016年2月21日 ]

美人画の四季美人画の四季

加藤類子 (編集)

青幻舎
¥ 4,197


■高崎市タワー美術館 伊東深水展 に関するツイート


 
会場
会期
2016年2月13日(土)~3月27日(日)
会期終了
開館時間
10:00~18:00、金曜日のみ10:00~20:00
(入館は閉館の30分前まで)
休館日
毎週月曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)
住所
群馬県高崎市栄町3-23高崎タワー21 3・4F
電話 027-330-3773
公式サイト http://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2015121700010/
料金
一般:600円(500円)、大学・高校生:300円(250円)

( )内は20名以上の団体割引料金
身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた方、および付き添いの方1名、65歳以上の方、中学生以下は無料となります
展覧会詳細 伊東深水展 詳細情報
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