現存する作品は約30数点しかないと言われているフェルメール。本展では手紙を題材にしたフェルメールの3作品「手紙を読む青衣の女」「手紙を書く女」「手紙を書く女と召使い」が揃って展示されるという、貴重な機会となりました。
中でも「手紙を読む青衣の女」は、アムステルダム国立美術館での修復作業を終えて来日したもの。フェルメール本来の色を、オランダより先に日本で見られるという贅沢さです。
展覧会名は「フェルメールからのラブレター展」。「人々のやりとり ─ しぐさ、視線、表情」「家族の絆、家族の空間」「職業上の、あるいは学術的コミュニケーション」「手紙を通したコミュニケーション」の4章で、17世紀のオランダにおけるコミュニケーションの様々なあり方を紹介します。
フェルメール3点の展示フェルメール作品以外も、風俗画で人気があったヤン・ステーン、フェルメールにも多くの影響を与えたと言われるピーテル・デ・ホーホなど、同時代のオランダ絵画が展観されますが、やはり目玉はフェルメールの3点。リニューアル休館中だった
Bunkamura ザ・ミュージアムの再開という話題も手伝ってか、プレスデーにはとても多くのプレス関係者が詰め掛けていました。
フェルメール旋風は
2013年2012年も続きます。こちらもリニューアルされた
東京都美術館で6月に開かれる最初の特別展「マウリッツハイス美術館展」で、フェルメールの代表作ともいえる「真珠の耳飾りの少女」が登場。同じく6月に
国立西洋美術館で行われる「
ベルリン国立美術館展」では、「真珠の首飾りの少女」が初来日となります。
まさにフェルメールイヤーの幕開けに相応しい展覧会、会期は3月14日(水)までです。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2011年12月22日 ]